ベッドの上にて 4
「
夏休みのこと。
いつものことだが、いきなり
「なんですか?」
涼音がやってくると、涼香はなにも言わず手を広げる。
涼音はやれやれと、声には出さないが態度で示す。
そして、のっそりとベッドに乗り、涼香の腕の中に収まる。
「今日は素直ではないの」
そんな涼音に、涼香がそっと囁く。
「……たまには、こうしないと、先輩が可哀想だと思ったんで」
涼香の肩に頭を埋めて涼音が言う。
照れている訳でもない、ただの本心だ。
「同情するならお金をくれないかしら」
「照れてるんですかあ?」
「そんな訳ないでしょう」
涼香も涼音も、今更この程度では照れることは無い。
人前だと涼音は照れてしまうが、今のこの時、この場所は二人しかいない。
冷房で冷えた身体に体温が心地よい。
「お姉ちゃんと呼びなさい」
「それは嫌です」
下唇を噛んだ涼香が、力強く涼音を抱きしめるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます