月末の夜にて

 七月三十一日の夜のこと。


「月越しジャンプをしましょう!」


 もう間もなく七月は終わりを迎え、八月がやってくる。


「嫌です」

「いいではないの! 少しぐらい付き合ってくれても!」


 どうしてもやりたいらしく、涼香りょうかの表情は必死だった。


「……仕方ないですねえ」


 涼香のお願いに渋々ながらも頷いた涼音すずねは立ち上がる。


「そうと決まれば早速飛ぶわよ! 三!」

「そんなにギリギリだったんですか⁉」

「二! 一! 今よ!」


 手を繋いできた涼香と同時に飛んだ涼音であった。

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