第3話

朝になり、夜がきて、また朝になった。陽炎の道はずっと近くにあったがひとたび関心をなくすと城はあっという間に見えなくなった。夜の城はやはりあって、一晩中宇宙を吸い込んでいた。



しばらくして町についた。人がまったくいない町は不気味だった。町の真ん中にはやはり城があった。近くまでいくと塀が高くて何も見えなかった。周りを一周しても出入り口はなく、時々壁の内側から声が聞こえた。まるで古い映画のような芝居がかってざーという音の交じる声だった。

噴水があった。もう水は枯れ果て投げ入れられたかつての通貨もさび付いていたが、少女はなにか懐かしいものを感じた。市場らしきものの残骸もあり、その裏に入った路地にはどこかの家の洗濯物が揺れていた。レンガの道は砂漠の砂より粗く、水に浮くはずのウンディーネの足は小さな傷がたくさん付いた。

靴屋があった。少女の足はどの靴にも合わなかったが、一番形の気に入ったものに無理矢理足を詰め込んだ。服屋もあったが、ぼろぼろになってもひらっと揺らめく服を脱ぐ気にはなれなかった。

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