第15話 江戸話その6




佐吉は道中、裏街道、木の実と野草を食いながら、早く罰を受けたいと、保土ケ谷宿へ向かうのに、どう間違えたか、神の導きか、保土ケ谷を外れ本牧根岸の浜辺に着いた。



ここで佐吉は力が尽きて、ここが俺の死に場所と、波が濡らす浜辺に横たわる。


夜になると嵐が吹き荒れ、波にわれ沖へ捕らわれた。


流木が頭を打つ。


佐吉は海へ沈んでいった。



どれだけ気を無くしていたのだろう?


気づくと布団へ寝かされていた。


船大工の父と娘に佐吉は命を救われた。


佐吉は記憶を失い、目を開けた。


そして佐吉は船大工の弟子となり、懸命に仕事を習い独り立ちまでなった頃、船大工の娘をめとり養子に入り、ひとりの子を成した。


その子も船大工になり、佐吉が余生を全うすると、街へ出て行き大工に職替え、保土ケ谷の街で弟子持ちの棟梁となった。

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