異世界転移は軽バンに乗って 〜異世界で生き別れになった兄妹は、やがて英雄と聖女へと成長し、異世界の大きなうねりに飲み込まれていく〜
@kazu46mu
1 軽バンに乗った冒険者
第1話 クルトゥース
「お願い、ここから出して、何でもするから」
「その願いは、矛盾しているな」
「私は、お前にそこに入っていてほしいだけだ」
巨大なガラス瓶の中に、15歳ぐらいの全裸の少女が入れられていた。ガラス瓶の天井は、円錐形のロートを逆さまにしたような形だ。光沢があり、金属製であることがうかがえた。細い口の部分は管で天井と連結していた。
少女が、拳が血まみれになるほどガラスを叩いても、びひ一つ入らなかった。
男が呪文を唱えた。
少女の体から虹色の煙が湧き上がる。少女は悲鳴を上げ、必死でその煙を抑え込もうと自分の体のあちこちを押さえつけたが、効果はなく、またたく間にガラス瓶の中が見えなくなった。やがて少女は、一度大きなうめき声をあげ、静かになった。
男の背後から、
「どうだ調子は」
「こんなところに、教皇様がいらっしゃっては、もし万が一にも、明るみにでたら大問題になりましょう」
「心配ない。そんなことより、
「ほう、チェレスタが。久しぶりですな。それでどんな夢を」
「この地に光と闇の種が落ちるというものらしい」
「闇、のほうはわかりませんが、光は、もしや聖女様では」
「チェレスタもそう考えているようだ。そこで、お前の部隊を動かしたい。それも至急にだ。それと、チェレスタの影武者の準備もしてほしい」
「チェレスタが直々に動くのですか?」
「ああ、場所はあの女にしかわからん」
「わかりました、至急準備しましょう」
いつの間にかガラス瓶の中の煙は晴れていて、少女だったものは、エメラルドグリーンの瞳を残してスライムのようなゼラチン質のうごめく塊と化していた。
「クルトゥースを開催する。お前もいつまでも研究所にこもりっぱなしというわけにはいかなくなるぞ。至急準備せよ」
「かしこまりました」
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軽バンとは、軽自動車におけるワンボックスの一種で、
軽貨物自動車のことである。
参考 引用
https://www.goo-net.com/knowledge/01098/
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