第56話 初詣

一月一日、元旦。新しい年の始まり、僕はクリスマスにできた彼女と初詣デートをしていた。


「やっぱり、混んでますねー」


「そうですね。朝早いですから、少ないと思ったんですけどね」


現在時刻、午前8時、僕的にはじゅうぶん早いと思っていたのだが、その予想は外れ、お参りまで長蛇の列に並んでいる。


「でも、混んでいてよかったです」


「ん? どうしてですか?」


「だって…その方が勉君と長くいられますから」


「っ!」


不意打ちほど威力の高い攻撃はないのに…もろに食らってしまった。

本当に僕にこんなかわいい彼女ができたのか!?




***



お参りを終えた僕たちはそれぞれ100円ずつ支払い、おしること甘酒を買った。


「勉君は何を願ったんですか?」


「僕は…世界平和…ですかね…?」


違う。本当に僕が願ったのは、ずっと香奈さんといられますようにだ。本人に聞かれるのは恥ずかしく、噓をついてしまった。


「香菜さんは何をお願いしたんですか?」


「それは…」


「何ですか?」


「ずっと勉君と一緒にいられますように…です」


「そ、それは…本当ですか?」


「もちろんです。嘘なんてつくわけないじゃないですか」


香奈さんは正直に言ってくれたので、嘘をつかずに僕も言った方がいいだろう。


「すみません、香奈さん、嘘をつきました。本当は僕も香奈さんとずっと一緒にいられますようにとお願いしました」


「そ、そうですか、一緒のお願いだったんですね」


そう言うと香奈さんは下を向いてしまう。


「どうしたんですか? 香奈さん、具合でも悪いんですか?」


「ち、違います。その…嬉しくて…」


「勉君と考えてることが一緒だと思うと…」


も、もしかして、照れ隠し!? 何回僕に致命傷負わせるんだ! 香奈さんは!


「あ、あっちにおみくじがありますよ。引いてみましょうか」


「そうですね、勉君」


沢山のおみくじがあるところに移動し、お金を払いおみくじを引く。


「どうでしたか? 香奈さん」


「勉君もどうでしたか?」


「じゃあ、同時に見せ合いましょうか}


「「せーの!」」




新作です!


ブラック企業の社員が辛すぎたので、異世界に転生させてくれると言ってくれた女神さまに望んだのはのんびりスローライフとかではなく、奴隷でした。

https://kakuyomu.jp/works/16817330663196697531

初めての異世界ファンタジーなので、変なところもあるかもしれませんが、少しでも気になったら、ぜひ読んでみてください!

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