第42話 夏休み⑩+⑩+②
(香奈)もしかして陸くんもうみちゃんと結婚するなんて言ってませんよね…… 18:43
ショッピングモールから帰ってくる途中で、陸くんの突然の結婚宣言に驚き、香奈さんからLINEが来ていると思ったら、文書から察するにうみちゃんも陸くんと結婚するなどと言っていて、香奈さんも驚いているのだろう。
(勉)はい、陸くんも言ってます。うみちゃんと結婚するって…… 18:44
(勉)ということは……そっちも…… 18:44
(香奈)はい、こっちもです… 18:45
(勉)そんなに仲良くなったんですね、結婚するって言うまで 18:47
(香奈)今までうみちゃんは誰かと結婚するなんて言ったことなかったので、びっくりしてしまって 18:48
(勉)陸くんが結婚するって言うなんて僕も初めてです 18:48
(香奈)なんかいいですよね、子供って… 18:49
(勉)どうしてですか? 18:51
(香奈)結婚する! とか好き! とかを簡単に言えて 18:52
(勉)? どう言うことですか? 18:52
(香奈)今の私たちって、好きです! とか付き合ってください!とか簡単に言えないじゃないですか 18:53
(勉)まぁ、そうですよね 18:53
(香奈)簡単に好きな人に好きって言えたらどれだけ楽なんでしょうか 18:54
僕は香奈さんのことが好きだ。けど、香奈さんには好きな人がいるから、僕が今、香奈さんに告白なんてしたら、きっと、香奈さんの事を困らせてしまうだろうし、第一にそれでもし付き合えたとしても、僕はその好きな人ではないから、香奈さんも本意ではないだろう。だから僕は香奈さんの恋を全力で応援したい。それで僕が諦めることになったとしても。
(勉)そうですね、簡単に好きって言えたら楽ですよね 18:58
「勉兄ちゃん、何してんの?」
「ん? ほら、うみちゃんのお姉ちゃんいたでしょ、その人とLINEしてたの」
「俺、大人になったら、絶対にうみちゃんと結婚する」
「陸くん! うみちゃんって、誰!」
母さんとおばさんが目を輝かせてながら、陸くんに聞く。
おいおいまだ6歳だぞ、6歳の恋愛事情にそんな興味あるのか?
「えっとね…うみちゃんはね…」
「香奈さんのいとこ、今日行ったらたまたま会ったんだよ」
「あらそうなの、陸くん、そのうみちゃんって子と結婚するの?」
「うん、約束した」
「そう、いいわね〜、そしたら勉強とか頑張らないと」
「うん、俺、頑張る」
「ところで勉、そろそろ夏休みも終わるから、高校の準備しなさい」
「あぁ、もう終わってるよ」
「そう、ならいいわ」
約一ヶ月半と短いようで長かった夏休みが終わる。
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