第34話 夏休み⑩+④

母さんが出て行った後、僕はびっくりしてしまい、

3分ぐらいそのまま香奈さんをベットに押し倒したままだった。

そのことに気づき、慌ててベットから降りる。


「す、すみません、ほ、本当に…」


「い、いえ、私が本に気づかなかったのがいけないんですから…」


「ところで勉くん」


「ん?なんです?」


「だ、大丈夫…ですか…?」


汗がダラダラと背中をかけていく。

母さんはどう考えても絶対にこの状況を誤解してる。

けど、香奈さんが転びそうになったから、ベッドに押し倒したなんて、

絶対に信じてもらえない。


「か、香奈さん……一緒に説明してもらっても…」


「は、はい」


2人でリビングに行き、今の説明をしようとしたら…


「あら、もう終わったの?」


「な、何が終わったんだよ」


「何って…まぁ、いいわ。それより勉、彼女ができたら言ってって何度も言ったじゃないの」


「か、彼女…」


「と、とりあえず、香奈さんとはそういう関係じゃないから!」


「あら、香奈ちゃん、顔が赤いけど、もしかして…」


「勉くんとはまだそういう関係じゃありません!」


「まだってことはもしかして…」


「あっ!い、今のは言葉のあやで…」


「ふふ、まぁいいわ、晩ご飯作り始めるから、2人とも部屋に戻りなさい」


「わ、私、手伝います」


「じゃあ手伝ってもらおうかな」


「勉、早く部屋で勉強でもして待ってなさい」


「俺の扱い雑じゃない?まぁ戻るけど…」


「じゃあ香奈ちゃん、一緒に晩ご飯作りましょうか」





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