第29話 夏休み⑨

「「海だーーー」」


「「う、海だー」」


夏休みも中盤に差し掛かったところで4人で海に遊びにきた。

夏休みの真っ只中なので海にはたくさんの人がいる。


「暑い…」


「暑ぃ…」


近年の地球温暖化もあり今日の気温は38度を軽く超えていた。


「早く海に入ってサッパリしようぜ!」


「早く海に入りたーい」


「早く海に入りたいのも分かりますけど、持ってきたシートとかひいてからですよ」


「早くひいて、海に入るぞー」


シートをひいて、さぁ海に入るぞ、というところで1つ問題が発生した。


「え〜っと、残念なお知らせです。みんなの貴重品があるから、1人だけシートで待機です」


「とりあえず、最初は俺が待ってるから、俺→勉→愛と松海さんでいいかな?女子2人が一緒なのは、一応ナンパ対策、1人だったら、狙われやすいけど、2人だったらまだ大丈夫かなと思って」


「わかった。じゃあ海、入ってくるね」


「あ、あの、すみません」


「どうかしましたか?香奈さん」


「ちょっと…」


「どうかしましたか?香奈さん」


「う、う、浮き輪を膨らませてから行くので、先に海に入っていてください」


「あぁ、分かりました。先に海に入ってます」


先に海に入ってから5分くらいしたら香奈さんも海に入ってきた。

一緒に泳いだりして、ふと、香奈さんが聞いてきた。


「勉くんって、筋肉意外とありますよね。かっこいいです」


「えっ!あぁ、部活も入ってないので、運動不足だけには気をつけようと筋トレはしてるんですよ。最近ようやく腹筋も割れてきたんですよ」


「すごいですね、ちょっと…触ってみてもいいですか?」


「えっ!まぁ…いいですけど…」


「じゃあ、失礼して…」


香奈さんが僕の腹筋を優しく触ってくる。


「すごい、こんな腹筋って硬くなるんですね。初めて触りました」


「そ、そうですか」


「ほらほらーいちゃつくのもいいけど五十嵐くん、そろそろ時間じゃない?」


「い、いちゃついてなんかいません!」


「そうですね。優樹と変わってきます」




「優樹、交代」


「よし!俺も海ではしゃいでくるか」


「怪我しないように気をつけろよ」


「あぁ、そうだ見てた感じ結構ナンパしようとしてる奴はいそうだから、気をつけろよー」


と言い、飯田さんと香奈さんのいる方に行ってしまう。


「ナンパなんて、俺に言ったって意味ないだろ」


と思っていたが…


「お兄さん、ちょっといい?」


「すごい筋肉だねー、かっこいいね、お兄さん」


「どうかしましたか?」


「あのさ、私たちと一緒に遊ばない?」


「女子2人で退屈でさー」


「は?」

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