第27話 夏休み⑦

お昼ご飯を食べ終わり、4人でショッピングをすることになった。

が、お昼ご飯の会話が頭から離れず、

香奈さんの好きな人って誰なんだろう、とずっと考えてしまっている。

まただ、また心がモヤモヤしている。


「あの、ここ、見てもいいですか?」


香奈さんがその店に指を指す。


「さっきから私もここ気になっていたんだよねぇ」


「「えっ!」」


そう言い、そちらの方を向くと、

そこには水着を取り扱っているお店がそこにはあった。

流石にそこに入るのはマズイと思い、


「じ、じゃあ俺たちは外で待ってるから、行こうぜ優樹」


「あ、あぁ、そうだな。俺たちはゲーセンでも行くか」


「えぇーなんで一緒に入ってくれないの?彼氏の好みの水着選んで欲しいな〜」


「じ、じゃあ優樹だけ…」


僕は誰の彼氏でもなんでもないただの友人なので、

そこから1秒でも早く去ろうと思ったが、


「ほら!勉くん、逃げない!私のじゃなくて、松海さんの見てあげなよ」


「え!わ、わ、私のですか?」


「いや、だって、誰かに見てもらったほうがいいでしょ。他の男子ならともかく、五十嵐く

んだったら、まだ、安心できるし、松海さんだって信用できるでしょ」


「いや、でも、流石に…」


「はい、わ、私は、勉、くんのことを信用しています。だから、ついてきてください」


そう言われたら、断れないので、


「はぁ、分かりました」




水着屋に入り、2人はすぐに水着を決められず、店員さんが話しかけてきた。


「いらっしゃいませー、本日はどのようなものをお探しでしょうか?」


「特に決めてなくて」


「私もです」


「そうですねーどんなものが…そちらのお二人は…彼氏さんですか?彼氏さんの好みは…」


「僕は彼女の彼氏ですけど…」


飯田さんを見て、店員さんに言う。


「僕は3人の友人なので…」


「そうでしたか、申し訳ございませんでした」


なんか、そうやって謝られると彼女が欲しくなってくる。


「まぁ、露出は少ない方が…」


「そうですね。露出は少ない方が、彼氏さんも安心できますしね。では、こんなのはどうでしょう」


店員さんがワンピースタイプの水着を2つ持ってきた。


「では、ご試着どうぞ」


と言われ、2人は試着室に入って行った。

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