第26話 夏休み⑥
お昼ご飯を食べ終わり、少し雑談する空気になった。
「勉、今回もテスト1位だったんだっけ」
「あぁ、今回もギリギリだったよ」
「またギリギリ勉くんに勝てなかったので、次のテストでは覚悟しておいてください」
「次は負けませんよ。香奈さん」
次のテストも気を引き締めて取り掛からないと、と思っていたら、
飯田さんが、
「ねぇ、勉くんって好きな人いるの?」
「っ!ゲホッ、ゲホッ」
「大丈夫ですか!香奈さん」
水を飲んでいた、香奈さんがむせてしまい、大丈夫かと心配したが、
「私は大丈夫です。それよりも…」
「ねぇ、好きな人いるの〜?」
「なんでそんなこと言わないといけないんだ」
「だって恋バナだよ〜好きな人がいるのか聞くのは当然じゃん。香奈も聴きたいってよ」
香奈さんの方を向くとなぜか顔が少し赤く照れているような気がした。
「え〜」
「勉くん、お、教えてください」
「今の感じだと好きな人がいるみたいだったけど、別に好きな人はいないよ」
「そ、そうですか………ヨカッタ」
「ん?今何か言いましたか?」
「い、いえ何も…」
「え〜つまんないな〜じゃあ気になる人は?」
「気になる人か〜いないな〜」
「勉くんは好きな人も気になる人もいないのか〜じゃあ香奈は?」
「えっ!わ、私!」
「そうですね。僕も気になります。」
「えっ!つ、つ、つ、勉くんまで!」
「ほらほら〜好きな人はいるの〜?」
「えっと、いや、でも…」
そう言う香奈さんがすごく恥ずかしがっていたので、さすがに止めようかと思ったが…
ん?なぜだ。まただ。また心拍数が上がってる。今は嬉しいよりも、
緊張してる時のドキドキだ。
「まぁ、無理に言わなくてもいいですよ。香奈さん」
「いや〜教えてよ〜いるかいないかだけでいいから。お願い!」
「い、い、い、い、い、イマス」
「えっ!」
香奈さんに好きな人が…
ん?なんでこんなにがっかりしてるんだ?
「キャアーーー香奈好きな人いるんだ。で、誰?」
「流石にそれは…」
「流石に言いません!」
「まぁ、そうだよね〜」
香奈さんに好きな人がいるのか、
誰なんだろう?
なんでだろう普通人の恋とか全然興味ないのに…
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