第20話 夏休み①

夏休みになって3週間、その間、特に何もなかった!

3週間特にすることもなかったので夏休みの宿題を早めに全て終わらせ、

次のテストに向けて勉強をしていた。

夏休み前に一回定期テストがあったのだが、

しっかり香奈さんに勝ち、首位をキープした。

ほとんどなることがなく、ただのお飾りみたいになっているスマホが鳴り、


(渚咲)少年〜ちょっと付き合ってよ 10:21


渚咲さんとLINEを交換した記憶はないのだが、


(五十嵐)どうして僕のLINE持ってるんですか? 10:21


(渚咲)ごめんね〜香奈から教えてもらえちゃった 10:24


(五十嵐)まぁ、いいんですけど 10:25


(渚咲)ところで今からここに来てもらえる?20分後ここ集合ね 10:25


ピコン、と画像が送られる。


「ここでいいのかなぁ?」


渚咲さんに言われた場所に着いたが、誰もいない。

騙されたのか?と思い、帰ろうかと思ったが、


「おっ!いたいた〜ごめんね〜遅くなって」


「渚咲さんと…」


「香奈さん?」


「どうして勉くんがここに?」


「私が呼んじゃった。ごめんねっ」


テヘッと全く心のこもってない謝罪をされたが、こういう破天荒さには呆れてしまう。


「お姉ちゃん、今日は浴衣買うんじゃなかったの?」


「そうだよ、だから…」


「どうして勉くんがここにいるのかってこと」


「だ〜か〜ら〜少年にゆ、か、た、見てもらおうってこと」


「そうなんですか?」 「そうなの?」


もちろん僕も聞いていないので、香奈さんと一緒に渚咲さんに聞くが、


「そうだよ。よし、しゅっぱーつ!」


そう言う渚咲さんに強引に連れてかれる。

もちろん連れて行かれるのは浴衣ショップだ。


「じゃあ、着替えてくるから、ここで待っててねぇ〜」


待つこと数分

カーテンが開き、渚咲さんの姿が見える。

渚咲さんは大人っぽい、黒の浴衣だった。


「どうよ、少年?」


「黒の浴衣が渚咲さんの大人っぽさとマッチしていて似合っています」


「やっぱり、少年は褒めるのが上手いね、お世辞でも嬉しくなっちゃうよ」


「お世辞じゃないですよ、似合っていますよ」 


「香奈〜もう着がえ終わってるんでしょ、恥ずかしがってないで出てきな〜」


そう言うと隣の試着室が開き、


「つ、勉くん、どうですか?」


香奈さんは黒とは正反対の白の浴衣だった。


「?、どうしましたか?もしかして、似合っていませんか?」


すぐに言葉が出てこなかった。

あまりにも白の浴衣が香奈さんに似合っていた。


「っ!似合ってます!とても似合ってますよ。」


すごく似合っていて、似合っている以外の言葉が出てこなかった。


「そ、そうですか。よ、良かったです」


「じゃあ、夏祭り行こっか」


「「は?」」


「だって、浴衣買ったのにどこにも行かないのは勿体無いでしょ。だから、ほら行くよ!」



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