第17話 体育祭練習
うちの学校は文化祭が終わった後、2週間後に体育祭がある。
文化祭の前から少しづつ練習の時間が取られていたが、
文化祭が終わり体育祭の練習が本格的になった。
クラスで色分けされ、3学年7クラス対抗になっている。
中学の時とは違い、やる種目が少なく、1人多くても3つ以下になっていて、
僕は借り人競争となぜか男女混合リレーをやることになっている。
男女混合リレーのメンバーは香奈さん、優樹、俺、
「よし、リレーの練習始めるか」
と優樹が言い、練習が始まった。
「優樹、バトンパスってこんな感じで…」
「うん、こんな感じでいいと思う」
なんか距離が近いような…
香奈さんも気がついているらしく、不思議そうに、
でもなぜか羨ましそうに2人を見ている。
「ねぇ、2人ってなんか距離近くない?」
「鈍感なお前でも気づくんだな、じつはな、俺達、付き合ってるんだ」
「は!」 「えっ!」
「おい、聞いてないぞ」
「そりゃそうだろうよ、だって言ってねえもん」
「マジか…」
実際、優樹は俺よりもモテるのでいつかは彼女を作るだろうかとは思っていたが、まさかこんなに早いとは思っていなかった。
「2人はいつから…」
優樹の話を聞くと、2人は元から幼馴染だったらしく、少なからず思っていたらしい。
そして、文化祭で優樹が飯田さんに告白したらしい。
だから今まで告白されても断ってたのか。
「だから、文化祭でお前、1人でどっか行ってたのか」
「そう、その時はすでに文化祭デートだったから。」
イベントカップルはすぐに別れるというが、この2人に限ってそんなことはないだろう。
「すまん、びっくりしすぎて喉乾いたから自販機でなんか買ってくるわ」
と言い、そこから去る。
「あの、飯田さん、どうやって告白されたんですか?」
「そういうのは、私よりも優樹に聞いた方が、優樹、ちょっときて。」
「何?愛」
「松海さんが、どうやったら告白されるのかって。」
「どうしt、あっ!なるほどねぇ〜」
急に渡辺さんがニヤニヤして、それに気付いたのか飯田さんもニヤニヤし始めた。
「あのさ、松海さん、あいつは意外とモテるんだよ」
「えっ!」
「あいつ、普段はぶっきらぼうだけど、知ってると思うけど、時たますげえかっこいい時があるんだよ。それに惚れる人が結構多くて、けどなんか話しかけづらいから、告白まではいかないんだけど」
「そうなんですね」
「そう、意外と勉はモテるから、早めにアタックした方がいいよ」
「えっ!」
「あ!」
「私は勉くんとは一言も…」
「いや、松海さん、他の男子との対応の差がずいぶん違うから、気づいてる人は気づいてると…」
「そんなに、違いますか…」
「結構鈍感な私でも気づいちゃうからねぇ〜」
「そうですか…」
「勉はまだ気づいてないと思うけど、高校でもあいつを気になってる人はいるにはいるから、本当に早くした方がいいと思うよ」
「は、はい。がんばります」
「「俺、私達も応援してるから」」
そして勉くんがスポーツドリンクを買ってきて戻ってきた。
「香奈さん、顔が赤いですよ。熱中症とかもあるので気をつけてください。これ、あげます」
勉くんがスポーツドリンクを渡してきた。
「で、でも、これ…」
「大丈夫です。予備にもう一本買っただけですし」
その後の練習は顔が赤くなってないか心配で練習どころではなかった。
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