第16.5話 美少女とショッピングをしていると

問題 美少女とショッピングをしていると何が起こるでしょう?


答え ナンパ


「ねぇ、いいじゃん、俺らと遊ぼうぜ」


「何度も言っていますが、人を待っているんです」


「いいよ、そんな人より、俺たちとさ」


渚咲さんとは別行動になり、香奈さんと2人でショッピングをすることになったのだが、

トイレに行きたくなり、待ち合わせ場所に戻ったら、香奈さんがナンパされていた。


「本当にナンパなんてあるんだ」


少し感心してしまった。

文化祭でも香奈さんはナンパされていたが、文化祭の悪ノリというのもあるだろうし、

今日この時まで本当にナンパする人なんていないものだと思っていた。

明らかに困っているので、というか、1人にさせたのは僕の責任だから、助けないと。

よくマンガとかラノベで読むようなやつを自分がやる日が来るなんて思っていなかった。


「すみません、香奈さん」


「何?お前。この子の彼氏とか?」


「はい、そうです。彼氏です」


わかっていたが、自分で言ってすごく恥ずかしいことがわかった。


「そ、そうです。彼が私の彼氏です」


香奈さんが腕に抱きついてきた。


「っ!で、では、失礼します」


「おい、ちょっと待てよ」


何か言ってたが、気にせず2人でその男から離れてきた。


「大丈夫でしたか?」


「はい、大丈夫です。勉くんが助けてくれたので…」


「そういえば、彼氏って言ってすみませんでした。咄嗟だったので」


「いえ、嫌じゃなかったので。」


すごく小さな声で言ったのでよく聞こえなかった。


「すみません、なんて言いましたか?」


「な、なんでもないです。今のは忘れてください」


「そうですか」


香奈さんが何を言ったのか気になるが、聞かれたくないこともあるだろうし、

余計な詮索はしないことにした。


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