2体目 ゴブリン②
「総員停止せよ。目標を確認した」
「お、いたいた。あれがゴブリンですねー」
「何度か観察してはいますが、やっぱり凶悪そうな顔ですね」
「ゴブリンは立派なお相手役ですよ、身近ですしね」
少し捜索をすると目標、ゴブリンが見えてきた。
「陣形を組め、逃げられると厄介だぞ」
「はい!」
「知能はある程度ありますからね、厄介ですよね」
「敵影総数、確認せよ」
「............6です!」
「聞いたか、6だ。討ち漏らすなよ」
「結構面倒ですね、6は」
ゴブリンはそこまで強い訳ではない。
だからこその脅威だ。
時折出てくる害を為す生物達、その筆頭として挙げられる程に生活に近い。それは従って慢心に繋がる。奴等はある程度の班で行動し、群れの食糧を得ようとしてくる。これで狩りを行えば良いのだが、如何せん数が多くすぐに食らい尽くしてしまう。それで人里を襲うのだ。
そして野生生物であるから入浴等の清潔感が感じられない。つまり雑菌だらけであり、だからこそ一撃でも貰ってしまえば命を落としかねない。群れているからこそ出来る数の暴力、それが本当に脅威となる。1体1体は弱いかもしれないが、統率がある歴戦の個体ほど数が少ない班で動く。多くの雑魚か個の歴戦個体か、どちらにせよ選ぶのはより多くの数での包囲及び不意打ちである。
さて、今回はこちらが5であちらが6、つまり不意打ちでどこまで確実に数を潰せるのかが問題である。
「行くぞ」
先手必勝......それは限りなくそうだろうが、避けられる可能性だってある。正しくは先手確殺だ。まずは1体を......剣で首刎ね。
「ギ!?」
「ギュ「2」ァ」
焦ったか、驚いて振り向いたゴブリンを続けざまに屠る。部下達も1人1体を屠っていった。救援を呼ばれないように、すぐに倒すのが絶対のポリシーである。
「いやあお見事です」
「まだです......心臓と頭を潰せ!」
『はい!』
生物によっては首を刎ねても生きているものもいる、確実に仕留めるのには頭と身体の動きを止めねばならない。眼球の間、中央を両断し身体はへし折る。これで確実である。
「成る程......勉強になりました」
「ここまでで討伐は完了です。では最後に......」
「............おや、埋葬ですか」
「......命を、冥福へ」
処理を行った後は埋葬をする。拳を額に付け、祈りを込めてから前に伸ばす。あくまでも向こうは生きる為の行動をしているに過ぎない。我々は騎士、泥を被る穢れた者だ。祈りは謝罪と祝福を込める、それが礼儀である。
じっと息を止める。死したものに我々のような血に濡れた者達の息を吹きかけてはならない、という考えから習慣付いたものだ。これである程度苦しくなった段階まで黙祷を行う。これが騎士に求められる埋葬方法だ。
「......。では、これで任務は峠を越したとする。後は調査を行う、周囲を警戒せよ」
『はい!』
これで討ち漏らしや残党、復讐が無いかを確認しつつ原因調査を行えば任務が終わりと見做せる。そうでもなければ、再度同様の事象が期間を開けずに再発してしまう可能性がある。ここが最も重要ではあるが......。
「あ、自分も取材を兼ねてお手伝いさせて頂きますよ」
「......助かります」
何度か処理をしたことがあると聞くサオトメ氏が手伝いを申し出てきた。
とりあえず構成だとか雰囲気をお伝えする為に本日中にゴブリン編を終わらせたいなと考えています。
ここまでシリアス
次回から尻でアスになります(?)
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