夢か現か

「小泉先生?」












バッと目を開けるとそこは教室。










いつも俺が授業をしている場所だ。










あ、ええと・・・と言っている内に生徒の1人が、俺さこの後別の教室で授業だからさ、急いで欲しいんだけど!てかもう行っていい?と慌てて腕時計を見ている。










「わかった、わかった!今日はここまで










そして生徒が教室から出ていったところで、スマホを取り出す。










時刻は昨日飲みに行った後、正確に動いて、俺は高校の教師として出勤していた。










先生、こんにちは!先生顔暗いよー!

なんて軽口を叩かれる程には生徒にもフランクに接してもらえる教師として15年。










社会の教師としてしっかりしてきた方だ。










社会の教師専門の職員室に入りふーっと一息つく。

きっととんでもない夢を見ていたのだろう。そう思い、比較的旨いコーヒーを淹れる。この珈琲は喫茶店でアルバイトしている桜ちゃんが教えてもので、他の教員にも評価が良い。












「小泉っ」










振り向くとそこには片瀬がいた。

そう、片瀬もここの教員なのだ。









「おう、珈琲飲むか?」








「珈琲飲むかって、昨日は大丈夫だったのか?あんなにガバガバ飲むから」






何か失言でもあったのだろうか、片瀬の表情は比較的焦りと暗さを帯びている








「悪かったよ、ヤケ酒みたいになっちまって。俺家に帰った記憶がないんだ」










「じゃなくて!」








片瀬が耳打ちする。







「お前昨日、店から消えて行方不明だったんだぞ。先輩が探しに出て・・・先輩、今も行方不明なんだ」











なんだって?行方不明?

危うく警察に捜索願いを出すところだったらしいが、俺がこうしていることに安心した片瀬は続ける











「お前が見つかって良かったけれど、連絡くらいよこせよな。先輩は捜索願い出そうと思うんだ。寮にも帰ってないらしいから」













確かにそれは心配だなと言った瞬間












「こちらです」









教頭が職員室のドアを開けた。










そこには、背の高低差が激しい警察官2人が立っていた。








「小泉洋さん、片瀬元弘さんですね?」










はい、俺たちですが










「岩元康二さんが遺体で発見されました」










岩本康二、先輩の名前だ。

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