第13話 おならダンス
「山瀬さんは、ダンスが大好きで、新聞社の忘年会でいつも、即興のダンスを踊っていました。で、お二人の山瀬さんには、山瀬さんの
今度は二人の結衣がそろって声を上げた。
「お、おならダンスですって・・・」
「そうです。自分のおならを演奏にして、歌を歌うんですよ。歌は替え歌でも何でも構いません。本物の山瀬さんなら、去年の職場の忘年会でも『おならダンス』をみんなの前で披露されているんですから・・・もちろん出来ますよね」
一人の結衣が応える。
「もちろん、できるわよ。『おならダンス』なら任せなさい!」
「こちらの山瀬さんは、『おならダンス』ができますか?」
もうひとりの結衣が、もじもじした
「そ、そりゃ、できるけど・・・」
「じゃあ、決まりですね」
「では、これより、お二人の山瀬さんの『おならダンス』対決を行いま~す。どちらが先にやりますか?」
すると、さっき「もちろん、できるわよ。『おならダンス』なら任せなさい!」と言った結衣が一歩前に出た。
「私からやるわ。あっちは偽物だから、『おならダンス』なんて踊れないはずよ」
ややこしいので、こちらを『結衣A』、もう一人を『結衣B』と呼ぶことにしよう。
そう言うと、結衣Aが一歩前に出た。そして、結衣Aは尻を後ろに突き出して、なんと自分のセーラー服のミニスカートを尻からめくりあげたのだ。すると、ミニスカートの中からドピンクの花柄パンティーが夜目にも鮮やかに浮き上がった。
結衣Aが言った。
「では、『おならダンス』を始めます。歌は『ハトポッポ』の歌詞で有名な『ハト』です」
そう言うと、結衣Aの尻から『おなら』が飛び出した。『ハトポッポ』のリズムだ。
♪ブッ、ブッ、ブッ、ブブ、ブッブ♪
♪ブゥブブ、ブブブブ、ブブブブブ♪
♪ブッブブ、ブブブブ、ブブブブブ♪
すると、再び結衣Aの声が響いた。
「以上が前奏です。では、一番の歌から歌います」
今度は『おなら』に合わせて、結衣Aが歌いだした。
「♪ぽっぽっぽ、はと、ぽっぽ♪」
♪ブッ、ブッ、ブッ、ブブ、ブッブ♪
すると、『おなら』が出るごとに、結衣Aの身体がジャンプを始めた。結衣Aの尻から『おなら』が一発出るごとに、『おなら』の勢いで結衣Aの身体が地面から一回飛び上がるのだ。結衣Aは飛び上がるごとに、両手を羽根のようにして羽ばたいた。ハトの真似をしているのだ。そうして、結衣Aは歌いながら、京介、
「♪まぁめが欲しいか、そらやるぞ♪」
♪ブゥブブ、ブブブブ、ブブブブブ♪
憧れの結衣の、あまりのお下品さに、京介は眼を疑った。
あのお上品な山瀬さんが、『おなら』を出しながら歌を歌って踊っている・・・
そのとき、結衣Bがボソリと言う声が京介の耳に入ってきた。
「なんてお下品なの!」
さらに、
「いいぞぉ~。『おならダンス』最高!」
京介が「えっ」という顔で
なんで、手拍子?・・・
結衣Aの歌とダンスは続く。
「♪みんなで仲良く、食べにこい♪」
♪ブッブブ、ブブブブ、ブブブブブ♪
これで一番の歌は終わりだ。すると、結衣Aがダンスを止めて立ち止まった。そして、セーラー服の白の半袖ブラウスを腹から首の下まで一気にまくり上げたのだ。ドピンクの花柄のブラジャーがあらわになった。京介が息をのんで結衣Aを見つめる。
何をするんだろう?・・・
すると、結衣Aがブラジャーの下をめくって、両方のオッパイをビロ~ンと出したのだ。満月の輝くような光の中に、結衣Aの豊満なオッパイが浮かび上がった。オッパイが月の光を反射して妖しくボヨンボヨンと揺れている。
次に、結衣Aが右手を右のオッパイの下に、左手を左のオッパイの下にあてがって、左右のオッパイを支えた。
京介は唾を飲み込んだ。山瀬さんの生のオッパイだ・・・
「・・・・・」
その格好で結衣Aが『おなら』の間奏を始めたのだ。再び、結衣Aが三人の周りを踊りながら回りだした。
すると、『おなら』の音が変わった。『ブッ』という音が『ブォッ』という腹に響く大きな音に変わっている。そして、結衣Aは『ブォッ』っと一回『おなら』が出るごとに、一回ジャンプして、左右のオッパイをぷるんと一回転させたのだ。結衣Aが『おなら』に合わせて、ジャンプとオッパイの回転を繰り返し始めた。
♪ブォッ、ブォッ、ブォッ、ブォブォ、ブォッブォ♪
ぷるん、ぷるん、ぷるん、ぷるぷるん、ぷる~んぷる
また、
「なんて素敵なダンスでしょう」
京介はまたも
こ、これが素敵なダンスだって?・・・
そんな京介の思いにかかわらず、
満月の光中で、結衣Aのオッパイがぷるんぷるんと回る。そのたびに、オッパイが満月の光を反射して妖しくキラッ、キラッと光っている。
♪ブォゥブォブォ、ブォブォブォブォ、ブォブォブォブォブォ♪
ぷるんぷるぷる、ぷるぷるぷるぷるん、ぷるぷるぷるぷるぷるるん
♪ブォッブォブォ、ブォブォブォブォ、ブォブォブォブォブォ♪
ぷるんぷるぷる、ぷるぷるぷるぷるん、ぷるぷるぷるぷるぷるるん
再び結衣Aの声がした。
「以上が間奏です。それでは二番を歌います」
結衣Aが再び歌いだした。お下品な『おなら』とダンスは続いている。
「♪ぽっぽっぽ、はと、ぽっぽ♪」
♪ブォッ、ブォッ、ブォッ、ブォブォ、ブォッブォ♪
ぷるん、ぷるん、ぷるん、ぷるぷるん、ぷる~んぷる
「♪まぁめはうまいか、食べたなら♪」
♪ブォゥブォブォ、ブォブォブォブォ、ブォブォブォブォブォ♪
ぷるんぷるぷる、ぷるぷるぷるぷるん、ぷるぷるぷるぷるぷるるん
結衣Bが両手で顔を覆った。両手の中から声がした。
「私、もうイヤ・・・」
結衣Aの歌とダンスが続く。
「♪一度にそろって♪」
♪ブォッブォブォ、ブォブォブォブォ♪
ぷるんぷるぷる、ぷるぷるぷるぷるん
「♪飛んでいけ♪」
♪ブォブォブォブォブォ♪
ぷるぷるぷるぷるぷるるん
すると、結衣Aが「♪飛んでいけ♪」と歌った後、ひときわ大きな『おなら』が結衣Aの尻から飛び出したのだ。
♪ブォブォブォブォブォォォォォォ~ン!♪
その、あまりの『おなら』の激しい勢いに、結衣Aのドピンクの花柄パンティが破れてしまった。
ビリ、ビリ、ビリ、ビリ・・・
今度は満月の月明かりの中に、結衣Aの白い尻が浮かび上がった。尻の双丘が月の光に光っている。
京介は思わず息をのんだ。山瀬さんの生のお尻だ・・・
しかし、よく見ると・・・尻の双丘の間に、何かこんもりした影が見えた。
あ、あれは何だ?
そのときだ。
「鏑木さん、いま踊っているのが妖狐の
京介が手の中を見ると・・・網があった。
「あ、網?・・・」
「そうです。
「わ、分かった・・・」
京介は手の中の網を結衣Aに向かって思い切り投げつけた。
満月の光の中に、網の黒い影が広がって・・・ゆっくりと、結衣Aの上に落ちていった。
網が結衣Aを包み込んだ。結衣Aが落ちてくる網に気づいた。だが、逃げられない。網の中でもがきながら声を出した。
「何よ。この網は?」
「おだまり。お前が妖狐の
結衣Aが
「どうして私が
すると、今度は
「じゃあ、それは何よ?」
京介が結衣Aの尻をよく見ると・・・二つの双丘の間から、尻尾が出ていた。
結衣Aも後ろを振り返った。・・・結衣Aが叫んだ。
「し、しまったぁ~」
京介は感服した。
そ、そうか。
満月の光の中で結衣Aの眼が怪しく光って・・・大きく吊り上がった。
「おのれ~、だましたな」
その声に結衣Bが叫んだ。
「だましたのは、あんたでしょ。私に化けて・・・」
結衣Aが結衣Bを睨む。
「よくも言ったわね。この貧乳!」
今度は結衣Bの眼が吊り上がった。
「ひ、貧乳ですって・・・何よ、この・・・」
結衣Bは何か言い返そうとしたのだが、言葉が出てないのだ。真っ赤な顔で結衣Aを睨んでいる。すると、結衣Aが勝ち誇って笑った。
「ほうら、何も言えないでしょう。あんた、貧乳だもんね。アハハハハ」
「言わせておけば・・・」
結衣Bが結衣Aに飛びかかろうとして走り出した。
「山瀬さん。ダメです。落ち着いてください。・・・山瀬さんが怒って、
結衣Bがはっとした顔で、
「ああ、そうだったわね。あぶなかったわ・・・私、もう少しで、
「鏑木さん。
「よし、分かった」
京介は思い切り網を引っ張った。網に絡まった
その緊張の中で、
「ほほほほほ。こんな網で私を捕まえたつもりかい」
そうして、
さらに、
京介たちの頭上から
「お前たち、もう許さないよ。全員、食ってやろう・・・これでもくらえ」
次の瞬間、木造の鐘楼が木っ端みじんに消し飛んだ。木くずの中から、釣鐘が宙を飛んで・・・京介たちの頭上に振ってきた。
「あぶない・・・」
ドッドーン・・・
土煙が上がって、境内に敷いてあった小石が舞った。地面に倒れた京介たちの頭上に無数の小石が広がった。
京介は急いで、結衣と
ゴホン、ゴホン・・・結衣と
その上に、小石が落ちてくる。
京介の身体を無数の小石が叩いた・・・京介は身体の痛みに耐えた。
ようやく、小石の落下が止んだ。京介は顔を上げた。
眼の前に、満月を背にした
「死ね・・・」
もう、逃げる暇はない。ものすごい圧力が頭上に迫った。
駄目だ。踏みつぶされる・・・
京介はもう一度目をつむった。万事休すだ・・・
〔著者注〕
ハト
作詞:文部省唱歌
作曲:文部省唱歌
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