第2話 ついに出る本音

「モーション先輩は、どこにいるかな?」


 私と誠君は廊下を歩いていた。

 今、どこにいるのかわからないモーション先輩を探すために。


 結局、ついてきてしまった・・・・。

 私、何をやっているんだろう?


 誠君はルンルン気分だけど、私は最悪。

 青葉ちゃんは私のライバルであったけれど、親友でもあったから、傷つけたくないという気持ちでいったりきたりしていたけれど、モーション先輩は完全に赤の他人だ。

 モーション先輩に抱く感情は、嫉妬でしかない。


 私は、まだ誠君が好きなんだと実感させられた。

 まだ、彼を、幼馴染の恋を諦めきれないでいる。


 誠君は、私を恋愛対象として見てないけど、私はずっと一緒にいていいのだろうか?

 男女の友情は続かないと言うし、どこかで壊れてしまいそうな気がする。


「誠君」


「赤音?」


「モーション先輩ともし、付き合うことができたら、どうするつもり?」


「そんなことは、決まっている。


彼氏彼女らしいことをするんだよ」


「それって、どういう意味?」


「そのままの意味だよ」


「誠君は彼女できたら、私との関係はどうなるの?」


「どうなるって、変わらないよ。


俺にとって、赤音は大切な幼馴染だし」


「彼女できたら、彼女優先の生活になるんだよ。


誠君は、私がいなくても大丈夫なの?」


「赤音は、何を質問しているの?


彼女優先の生活になるわけなくて、赤音との付き合いも大切にしていくよ。


大事な幼馴染だし、どんな時も俺のそばにいてくれたんだし、俺が赤音を見捨てるわけないじゃん」


「そうなんだ・・・・」


 そしたら、どうして、誠君は私のことを好きにならないの?

 そして、誠君に彼女ができた場合って、私が邪魔者になるはずだけど、彼はそのことすらもわかれないんだね。


「私、誠君に彼女できるのいやかも」


 私は、なんてことを言葉にしているのだろう?


 私の心はきれいじゃない。

 いつでも、嫉妬心がある。


 これで、誠君は私が好きだってことに気づいてくれるかな?


 面と向かって告白すればいいはずなのに、私はその勇気すら持てない。


「どうして?」


「嫉妬しているから・・・・」


「赤音・・・・」


 誠君は、そこで立ち止まって、後ろにいる私の方に振り向く。


「俺が、赤音を見捨ててしまうことがこわいのか?」


「うん。


こわい、すっごくこわい」


「大丈夫だって。


俺は、言葉だけじゃない。


今までだって、そうだったろ?


何を急に不安になることなんて、何もない。


だから、俺は彼女ができても、できなくても、赤音との付き合い方を変えたりなんてしない」


 誠君は笑顔で答えた。


 そうか、誠君は鈍感すぎる。

 ここまで来ても、恋愛って意味にはとらないんだ。

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