第2章 好きな人が異常な恋愛体質になった場合
第1話 接点のない先輩を好きになってしまって
私と、誠君は高校に進学することができて、私は憧れのセーラー服を着ることができた。
それに、誠君のことを語れる華ちゃんとは、親友のいう間柄になれた。
「クラス違うけど、親友だよ」
私と誠君は同じクラスになれたけれど、華ちゃんとは隣のクラスだ。
「隣のクラスぐらいで、大袈裟。
これぐらいで、友情が終わったりしないから、大丈夫だよ」
しばらくしてから、誠君から衝撃の一言を言われた。
「俺、好きな人できたよ」
私は、今も誠君が好き。
だから、その言葉にはズシリと重い物がのしかかるような感覚に襲われるけど、本人はそのことに気づかないんだろうな。
「どんな人?」
どうせ、私でないことはわかっている。
本当は聞きたくないけど、口の方が勝手に動いてしまう。
「モーション先輩だよ」
「モーション先輩?」
「本名は知らないけど、みんなからあだ名で呼ばれているの。
俺、モーション先輩のことを好きになってさ」
「どこが好きになったの?」
私は嫉妬してしまっている、誰なのかわからない見ず知らずの人に。
「学年はふたつ上だけど、一生懸命なところと、あとすっごく美人。
お化粧も上手なんだよ」
誠君はもしかして、化粧している女性の方が好み?
そういえば、私はいつもすっぴんで、お化粧とは無縁の生活を送っている。
私も、お化粧とか始めてみようかな。
「髪も長くて、綺麗なんだあ」
私は青葉ちゃんをライバル視していたから、いつもボブとかセミショートぐらいにして、髪を伸ばさないようにしていた。
だけど、髪が長い女性を好きになってしまうとは、思わなかった。
「赤音、聞いてる?」
「聞いてるよ」
「俺、モーション先輩にアッタクするよ」
「アタックって?
しかも、言葉を間違えているし」
「とにかく、モーション先輩に自分のことを好きになってもらいたいんだよ」
「モーション先輩とは、いつから知り合ったの?」
「ない。
あるわけないじゃん。
入学初日からさあ、ただの一目ぼれだって」
「それ、危険だよ」
「何が危険なの?」
どうして、誠君はわからないの?
どう考えても、振り向いてもらえる確率は低いはずなのに、どうしてそんな無謀な行動をするの?
「一目ぼれってことは、モーション先輩は誠君を知らないかもしれないんだよ?
誠君こそ、突然知らない人から、好きですアピールされたらこわくないの?」
「そういうの、よくわかんないな。
俺、相手がどうこうとかじゃなくて、自分がどうしたいかを第一優先として生きてきたからさ」
この人、何なんだろう?
私は、この人とずっと一緒にいていいのだろうか?
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