第11話 変態な幼馴染の名は、東海青葉
「俺は、無謀なんかじゃない。
ただ、青葉を助けたいだけだ。
行くぞ」
「誠君!」
誠君は走っていったので、私はあわてて追いかけた。
おかしい。
緑ちゃんに、騙されたということは、今回もそうかもしれない。
まず、その教えられた場所に、青葉ちゃんはいるの・・・?
こうして、二人で向かった場所は、倉庫だった。
倉庫を誠君が開けてみると、青葉ちゃんがいた。
白の拘束衣装を着せられ、黒いベルトで止められて、黒のゴム製の猿轡をされて、よだれを垂らしていた。
そんな状態で、椅子に座らされている。
「んんっー!」
「青葉、今助けてやるかな!」
だけど、誠君が駆けつける前に現れたのは、知らない男の人。
「久しぶりだな、誠」
「勇気・・・・」
勇気?
もしかして・・・・。
「せっかく、兄が来てやったのに再会を喜ばんないのか?」
やっぱり、誠君のお兄さんだ。
「だって、唄が誘拐したんじゃ・・・・」
「誘拐したのは、間違いなく唄。
だけど、とっちゃた」
「とったって?」
「俺が奪って、お前の幼馴染を好みの変態に変えちゃったってこと」
「青葉は、俺の大切な幼馴染・・・・」
「幼馴染だけど、誠の物じゃないよね?」
「信じない」
「俺の言葉が信じられない?
なら、本人の言葉で実証してもらおうか」
こうして、勇気さんは青葉ちゃんのゴム製の猿轡を外した。
「青葉は、俺と誠、どっちが好き?」
「勇気さん」
「誠のことをどう思っている?」
「ただの幼馴染です!」
「今、君はこうして縛られているけど、どんな気持ちだい?」
「最高です!
ずっと縛ってほしいですし、猿轡もされていたいです。
勇気さん、ありがとうございます」
「今の発言、聞いたか?
俺好みの変態に豹変してしまって、俺なしじゃ生きられない体になってんの」
「勇気、何をしたんだ?」
「うーん、青葉のことを唄から助けてさ、あれから縛って監禁生活を過ごしてもらっただけ。
だけど、唄もドン引きしちゃうくらいのあほになったの。
これで、認めた?」
「勇気さん、大好きです・・・・」
「ああ、俺もだ。
ということで、誠の両片思いはここで終わったということで」
「勇気、またとったのか?」
「お互いの合意の上でだ。
青葉もそうだろ?」
「はい!」
誠君はその場で泣き崩れた。
「青葉・・・・!
青葉・・・・!」
「誠はここまで、あたしに執着してたの?
ただの幼馴染なのにね。
あたしは、誠の兄である勇気さんに恋しちゃったの。
勇気さんは、縛るの上手だから」
「そんなの聞いてない・・・・!
聞いてない・・・!
俺じゃ、満足できなかったのか?」
「それは、青葉が決めることだ。
好きな相手の恋を応援することも、時としては必要だってことをわかれ」
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