第39話 魔窟
城壁内はまさに
予想はしていたけど、地獄絵図過ぎないか!この光景は…。俺がこの光景に唖然としている中、目を輝かせながらハイテンションで叫ぶ奴が一人…
「おぉ、凄い。巨人にキマイラにスフィンクスもいる。珍しいモンスターがこんなにも沢山いるなんてここは天国か?」
「この状況でそんなに喜べるのは逆に感心するよ。流石はソロモン。モンスターに関しては変態的だ。うん、なんだかんだ変わってないところもあって安心する」
「アキレウス君、酷い!」
「いや、否定しようない事実だろう」
「それでも言い方があるでしょ!乙女心が傷つく~」
「お二方共、この様な状況でも軽口を叩けれる気持ちの余裕があるのは結構ですが、集中してください」
「はい、すみません。アイネイアス様」
「はしゃぎ過ぎて悪かったよ。アイネイアス」
「分かれば良いのです。見ての通り、敵に囲まれている状況です。危険ですので前に出すぎないでくださいね」
「流石に数が足りなすぎるか。追加のモンスターをここで召喚して応戦するしかないな」
「いいえ、アキレウス殿。貴方の召喚術はできる限り温存し、ここぞという場面で使うべきです。今はまだその時ではありません」
「しかし、このままでは…」
「大丈夫です。我々の軍にはモンスターでさえ物ともしない程の将がいます。今は信じて見守ってください。これぐらいであればあの方々なら難なく道を開いてくださいます」
ドーン!!
突如として物凄い音が辺り一面に響く。こちらのモンスター部隊と入れ替わり、グラウコスとペンテシレイアの部隊が前に出たのだ。
彼らはモンスターの大群を物ともせずに
「「凄い…」」
あまりの光景に俺とソロモンは唖然とする。
「そこまで驚く事ではありませんよ。アキレウス殿の召喚術の力が無い時から我々は魔王軍のモンスターと戦って来たのです。特にあの二人、グラウコス殿とペンテシレイア殿はそんな前線でも武功をあげてきた猛者です。
この程度のモンスターの大群に負ける事はありません。
彼らが作った道に続きましょう。このまま龍脈の中心部を見つだし奪取するのです。そうなれば魔王アガメムノンの力をかなり削ぐことができます」
「魔王を倒す前にこの土地の龍脈を奪うのですか?」
「モンスター達の動きが単純です。恐らくですが、敵のモンスターの指揮が上手くとれていない状態の様です。もしかしたら何かしらの不具合があるのかもしれません。ですのこのチャンスを生かしてで先に敵の供給源を絶つのです」
「理屈は分かりましたが、龍脈の中心部に魔王がいるのでは?それに龍脈の中心部がどこにあるのかが分かりません。俺は召喚術は使えますが、魔族みたいに龍脈を探知する事なんてできませんよ」
そう俺が疑問を提示した時、ソロモンがドヤ顔しながら不適に笑いだした。
「フッフフ、龍脈の場所なら見当がついているんだなぁ~これが」
ソロモン、久々にドヤ顔が凄いな。
「ソロモン?魔族みたいに龍脈の場所が感じとれる様になったのか?」
「魔族みたいに感じとる事はできないよ。そもそも私は皆よりも魔力とか分からないし。
でもね、君が頑張っている間に私も色々と頑張っていたのさ。今まで落としてきた拠点とかデータから何か法則性見たいのが無いか一生懸命研究したの。
その成果として建物やモンスター配置から龍脈の中心部の予測が粗方つけれる様になったの。凄いでしょ」
「それは本当に凄いな。魔族の連中も顔負けレベルじゃあないか」
本当に凄い。ソロモンは普段はめんどくさがり屋を演じているが影では凄く努力しているのを改めて実感させられる。
「えへへ、学問の道を開くのは私の得意分野。何でも感覚派の連中に遅れはとらないよ。まぁ、魔力への感覚が鋭いアイネイアスの協力があったのも大きいのだけど。でね、この魔王城の土地には3ヶ所の魔力の供給源がありそうなの」
「3ヶ所?本当なのか?」
「うん、恐らく何だけど元の土地の物と他の場所から引っ張ってき龍脈の中心部が別々にあると思うの。
1つは確実に魔王城の中心部にあるはず。恐らく魔王アガメムノンがいると思われる場所だね。そして残りのの2つはそこから離れた所にあるはずなんだ。その場所の位置を私はあらかじめ予測をして見たんだけど」
ソロモンの補足を受け、アイネイアスが作戦の続きの説明会をする。
「そのソロモン殿が予測つけていた場所の斥候を頼んでいたモルドレッド殿から先程、伝令が入ったのです。その場所にちょっとした建築物があってモンスターが配備されているっと」
「つまりその2つの龍脈を先に陥落させようって事ですか」
「そうです。この機に一気に供給源を絶ちましょう。目的の場所は東と西に別れているのでここからは二手に別れます。
東はソロモン殿の案内で我々とペンテシレイア殿の部隊で向かいます。
西の方にはモルドレッド殿の案内でグラウコス殿の部隊に向かってもらいます。
ここから先、更に戦いは苛烈になるだろう。だが、ソロモンが努力でもぎ取った成果をしっかり生かす為にも踏ん張らなくては
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