第16話 開戦
魔王軍のアイアスに王都が攻められているとの一報が入り、急いで王都に向かう。
「このタイミングで王都に襲撃とはどう思われますかパリス王子殿」
「十中八九、アイアスの暴走だろうな。オデュッセウスの作戦にしては合理的じゃあない。龍脈を
驚きはしたがこれは不幸中の幸いだ。憎き魔王軍の大将の一人を打ち取れるチャンスだ」
「えぇ、私もそう思っていました。我々と王都の軍で挟み撃ちにすれば無敵とまで言われたアイアスでも打ち取れる勝算があります。王都の戦況がどうなっているかが心配ではありますが…」
「あいかわらず心配性だなアイネイアスは。王都の城壁は今までに超えた敵が存在しない鉄壁の盾。それに加えてトロイ王国一の英雄であるヘクトール兄さんがいるんだ。
そう簡単にやられたりはしないさ。苦戦を
◇
それは見たことがない程に
トロイ王国の若い兵士なんかはその光景に恐怖し、逃走を
「
そんな中、トロイ王国の第一王子であり、守備の総大将であるヘクトールの声が響く。
「あの
しかし、攻められている以上、我々に逃げ道は無い。我々が逃げればあの悍ましいモンスター達はなんの
オーー!
兵士達が雄叫び声を上げる。パリス王子とはまた違った味のヘクトールのこの演説は兵士達に勇気を与え、士気を高めた。
◇
「あー思っていたよりも敵さん達、気落ちしてないなー。マジで王都攻めやるんっすかアイアスの旦那?俺の見立てたと中々に厳しいぜコレは。
オデュッセウスの野郎が気に入らないの分かりますが素直にパリスの方を狙うべきだったのでは?」
長身の割に細身ではあるがアイアスにも劣らない筋肉質の体の持ち主。アイアス軍の副官であるテウクロスは聞こえてくるトロイ王国の兵士の
「例えそれが最適解であっても奴の口車に乗せられるのは
「はぁ~旦那と組んでから苦労が絶えないなー。付き合う俺の身も考えて欲しいぜ」
「たがお前もこっちの方が面白いのだろう」
文句を並べているテウクロスにアイアスは満面の笑顔を向ける。
「あはははは。旦那には
「そうだろう。それにお前と儂なら負けることは無いさ。今までそうだっただろう」
「はいはい、もうこうなれば地獄の底まで付いていきますよ。しかし旦那、今回も旦那の
「
「
機会があるなら見て見たかったんですよ。旦那の
「なるほどな。まぁ、追い込まれたら使わざるを得ないかもしれないが、そんな事にはならないだろう」
「相変わらず自信満々ですねー。まぁ、旦那が討たれるなんて想像もつかないですけどね。っと準備完了。無駄話はこれぐらいにして始めますかー。面倒なパリス軍が戻ってくる前に落としたいっすからね」
「うむ、開戦だ。モンスター共を突撃させよ。あの城壁に穴をあけさせるのだー!」
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