第15話 オデュッセウス軍
スタイルが抜群の長い赤髪の女性。魔女キルケーは対面している背の高い中性的な顔立ちの美しい男性。魔人オデュッセウスにどこか甘えるように先程の戦いに対する文句を並べていた。
「あ~もう、時間稼ぎとかフラストレーション
「はいはい、ご苦労様でした。君の不満は分からないでも無いけどね。今回はこれが最適な方法なはずなんだ。
君も十分に分かっているだろう。これ以上、奴らに龍脈を奪わせない方が優先だという事は」
対するオデュッセウスはキルケーを優しく
「でも、でも召喚するモンスターの種類を制限するなんてあの面倒臭い縛りは何なんですか〜。戦いぐらいもっと派手にヤらてくださいよ〜。
その態度が気に入らなかったキルケーは大きく腕を広げてオーバーリアクションで
「情報は戦いでは凄く重要だからね。切り札は確実に仕留める時以外は無闇にひけらかしてはいけないよ。特に学習、成長してくるような敵にはね」
「それでも〜何でトロールなんて可愛くもないモンスターなんですかー。オデュッセウス様のセンス疑いますよー」
「僕にとってはスキュラやカリュドーンの
特にスキュラは正直、僕にとってはトラウマものだよ。
ゴホン、済まない。取り乱してしまった。説明するとね。今回、使用したモンスターは強いけど魔力をかなり食うし、対策が簡単なモンスターを選んだんだ。どうやら敵にも召喚術を使える奴がいるみたいだらかね。仮に使われてもあまり困らないのを選んだんだ。
まぁ、逆に対策されてしまったけどね。無事に目的は達成できたから結果的に
「う〜、不満がないわけでは無いですが、そこまで正論を言われたら悔しいけど何も言い返せないです」
「分かってもらえて良かったよ。流石は僕の美しく、賢い副官だ」
「ふふふっ、もっと
しかし、拠点を奴等に奪わせないようにするためにヒュドラの毒を使うとはオデュッセウス様は相変わらず鬼畜ですねー。ヤバ過ぎじゃあないですか?あれは。
「戦争で手段を選んでいる方が僕からして見れば狂っているように思えるけどねー。生き死にがかかっているんだ。
「はぁ~それが純粋な乙女の恋心であってもですか…。あ~もう、正論が耳が痛いなー。真面目過ぎて最早、何周も回って
「まぁ、多少は自覚はしているが、君に言われるとは心外だな」
「オデュッセウス様は乙女心を分かっているのか分かっていないのか。どっちにしろヤバい奴です」
「…?まぁ、でも性格悪い方が戦争には向いているかもなー。
それで言うとトロイ王国のパリスは面白い例かもな。あそこまで
あれだと逆に戦いを収めても統治の面で問題になるのだけど、そこは兄のヘクトールと上手く使い分けているなトロイ王国は。国そのものシステムがある意味でイカれているのかもな」
「はぁ〜、私のせいでもあるのですが、話が変な方向に行ってしまいましたね。戻しましょう。何を愚痴っても無駄そうですし、オデュッセウス様に対してキャラを作っても無駄な気がしてきました」
「そうだった早めにこれからの動きを説明しないといけなかったんだ。取りあえず奴らが進行してきそうな
「具体的には今後はどう動くのですか?少しずつ攻めて削っていきますか?それこそジワジワと痛ぶりながら」
「いや、時間をかけ過ぎても良くない。王都付近の龍脈を奪取しない以上は完全に削り切るのは難しい。下手をすると相手に逆転の機会を与えてしまう可能性がある」
「確かにあの王都で守りに入られたら中々に骨が折れそう。召喚術があれば尚の事、攻略するのは難しいそうですね。それにこちらも皆様、
「だからもうここで一気に決めよう。僕達の軍とアイアスの軍でパリス軍を挟み撃ちして
時期にアイアスの軍がパリス軍とぶつかるだろう。そうしたら僕達もそこに参戦する。どうせならアイアスに
「大方は良い考えとは思いますが、あのアイアス様がそう思い通りに動いてくれるのでしょうか?自分の領地を増やす事を優先しそうですし、アイアス様はオデュッセウス様を嫌っているのでこちらが立ってた作戦に従ってくれはしないのでは?」
「そうなんだよー。あいつ何か分からないんだけど僕の事を嫌っていて僕の話をまともに聞ことしないんだよー」
「はぁ~。私、アイアス様は生理的に嫌いですが、これに関しては同情してしまいます」
オデュッセウス様は頭が良いのに相手の気持ちを考えないからケンカになるんですよね…
「あれ、実は僕って皆に嫌われている?」
「
「あぁ、だからさ。もうそれを逆手にとってこの前、パリス軍から撤退したことを散々に
頭が痛い。確かにオデュッセウス様にしては相手の気持ちを考えた方でありますが、問題はアイアス様がどう出られるか?ですね。
「伝令、伝令!アイアス様の軍が…」
「おっ、話をしていればだ。思ったよりも早かったな。僕達も様子を見ながら出ようか」
「アイアス様の軍が王都に攻め入りました」
「えっ!?進軍しているパリス軍でなく、王都に直接!なんで?」
オデュッセウスは信じられないと言わんばかりに驚いている。
そうなりましたか、アイアス様にとってはそっちの方を重く
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