第12話 幕間
最低限の見張りを除き、多くの兵士は拠点を制圧した後の
俺も疲れ切っているのだが、どう
ソロモンの所から難しそうな本でも借りてモンスターの勉強でもするか。それで
そう思い、起き上がってテントの外に出ると綺麗な笛の
俺はその
ガサ
「止まれ、誰だ?」
その近くまで来た時、笛の
「ペンテシレイアさん?すみません。
「アキレウスか、睡眠の邪魔をしてしまったか?だとしたら済まなかったな。
「あっ、いえ、睡眠の邪魔なんて。心地よい穏やかな笛の
「やめろ、いや、悪い。今、近くに来るのはやめてくれ。酷い顔でな
「こちらこそすみません。図々かったです」
「いや、貴様が謝る事ではない。これは俺の問題だ。それと俺に対しては無理してそんな難しい言葉使いをしなくてもいい。逆に聞き取りづらいし、まどろこしくて俺は好かん」
ペンテシレイアの方がどこか変に威厳を
「憧れの騎士様に対して恐れ多いが、聞き取りづらいなら本末転倒だな。お言葉に甘えるよ。やっぱり、こんな
「順応が早いな。だがそれでいい。しかし、その様な自暴自棄な卑下はやめろ。言い訳にもならない。お前の友人のモルドレッドってなんてその辺はそこらの連中よりしっかりとしているじゃあないか。
それに俺だって良い生まれではない。何せ辺境の地の出身だ。まぁ、王都に負けないくらい豊かな所ではあったがな」
「えっ!それは以外だった。てっきり生まれも育ちも王都にかと」
「そんなのこのパリス軍では逆に珍しいぞ。今は人手が足りないから特にな。
「逆にそんな
「それに関しては打算もあってものだがな。まぁ、あいつ自身も王族の中では変わり者とされているみたいだし、臨機応変に動く軍としてこんな形の方が都合が良いのかもな」
「なるほど、なんか話しをしていたら少し気が楽になったよ。ありがとうペンテシレイア。王宮で会った時は無口で気難しそうなイメージだったけど割りと
「うるさいな。召喚術なんて使うわけも分からない奴なんて警戒するに決まっているだろ!それに俺は声が変だから必要最低限しか本当は会話したくないんだよ。今回は特別だ!」
「それは悪かった。でも、ペンテシレイアがどんな顔、どんな声をしていも俺は気にしないし、これからも憧れ続けるぜ。
多分それは皆もそうだと俺は思う。モンスターにも劣らない
「分かったからとっと
「ハハハ、そうかそれじゃあまた明日な。いつか機会があったらまた笛を聞かせてくれ。じゃあな」
「あぁ、気が向いたらな」
そう言葉を交わして俺はテントの方に戻る。ペンテシレイアとは少しだけ距離が縮まった。しかし、俺を完全に信用したというわけでも無いだろう。
これに関してはペンテシレイアだけでは無い。この軍にとって俺は異物だ。先程、ペンテシレイアが言っていた通り大方の評価は『召喚術なんて使うわけも分からない奴』という感じだろう。それは正しい評価だ。俺自身、否定できない。むしろパリス王子の好意の方が変なのだ。
だが互いに話し合えば以外にも簡単にこの
明日以降、もっと周りを知る努力をしよう。それが俺がこの軍に本当に受け入れてもらえるためにやるべき事だ。
さてと思わぬ寄り道をしてしまったが本来の計画通りソロモンの所に行って本を借りてこよう。今ならコミュ障のソロモンとも上手く会話できそうだと思っていた時…
「グヘヘヘ、珍しいモンスターがいっぱいだ〜。グヘヘヘ、グヘヘヘ」
ソロモンのいるテントから変態じみた無気味な笑い声が聞こえたので俺は直ぐにその場から離れて元いたテントに戻り
『明日から頑張る』
とだけ誓って眠りについた
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