第五怪迷いの森とネオグランギニョル①


真淵風子の好きな言葉は純愛である。女子高を卒業して神道系大学に入った一年目だ。


純愛、その二文字など捨てた二人の猛者。


暗黒なだけの狂った愛か、それとも光明に満ちた正気の結婚欲求か。素早い攻防がある。


居合斬り、ダーインスレイヴは『スノッリのエッダ』の『詩語法』に登場し、ヘグニが持っているとされる。ヘグニはこう答えた。「おまえが和解を求めるにしても、もはや遅すぎる。私がもうダーインスレイヴを抜いてしまったからだ。この剣はドウェルグたちによって鍛えられ、ひとたび抜かれれば必ず誰かを死に追いやる。その一閃は的をあやまたず、また決して癒えぬ傷を残すのだ。」


そのような仕込み杖の怪しき凶刃のきらめき、そのようなのがまず闇夜に光る。


しぃッ!!!」


中国語訛りアマルガムな発音があった。


時空間が捻れるように感じた。追っていた、魔王を追っていたならば勇者もいる。


彼女はドラグーンクエスト9の世代だが、8の方が好きな世代、或いは1234567をやったような人間、それにサイバーマンというアクションゲーム、それのXまでやり終えた。


アクションゲームツクールというのもある、VR訓練よりもこっちで訓練するのが吉。


「……1アンッ!!!」


こちらもフランス語訛りアマルガムだった。


鞘から抜かれたのは光輝く刺剣エストック、陸上競技の性的な銃エクスタシーの音が鳴った気がした。


直進、直線、歪まず狂わない愛の結晶。


その後、凶刃と不幸を呼ぶ剣ネオグランギニョルがお互いを惨殺したいと同時に叫んでいた。


交差する、血液、流血が飛び散る音が同時に聞こえた、ダークロードの頬が切れた。


これで、傷のあるスカーフェイスだ。


そして勇者、そういう人間は聖剣と思っている、勇者の剣で愛を誓っているのだった。


「彼女の心が醜く黒く歪んでいても、狂気に満ちていても綺麗なブラックダイヤモンド、それを貴様程度には渡すわけにいかない、さっさとこの高貴なる自分の前に死を晒せ、お茶の間を数分間、笑殺しょうさつ出来るぞ?」


それにダークロードは冷笑をする。


「いえいえ、自分は結婚指輪について悩んでいました。初恋にはルビーの指輪、次の高校生の終わった恋、偽物の恋ではない、真実、歪みと狂いに満ちていた純愛以上の恋慕、それによって自分は惨めに不様になった、なのでレッドダイヤモンドはネット越しの、ブラックダイヤモンドはネット越しで、彼女も宝石について詳しいのでそれに関して貴方は不見識ですが自分は彼女と結婚するならばピンクダイヤモンドの指輪がよい。彼女のための流血、そう半分程度思う程度の能力、なんちゃって……」


その彼の無表情に殺意に満ちた顔は破滅を求める無貌ニャルラトホテプの化身と思った。






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