第一怪聖剣使いと魔剣使い②


彼か彼女か、この世界の創造主は王瀬透秀吉おうぜとひよしと言うらしい。


王瀬透秀吉は町工場を世界的大企業に変えたとされる。その町工場の工場長の名前は小早川秋丸こばやかわあきまる、秘書は宮上秀子みやがみひでこである。


王瀬透秀吉おうぜとひよしはかつて歴戦の傭兵だったが、いつの間にか出家した。


そしてまた、俗世へと返り咲いた破戒僧。


賀茂義輝は彼の事を黒い太陽バッドサンシャインの男として、扱っていた。気に入らない。そんな言葉が最終的に文末に宿っえしまうのだ。


元聖なる武士団八咫烏ホーリーオーダーの人間だった。


「…………めんどくさい事になったな」


賀茂義輝はそんな独り言を呟いた。


しかし、仕事は常人離れして山積みだ。


いつの間にか、売血ばいけつというのが裏社会で流行っていた。殴った相手が黄色い血液イエローブラッドな事が多い。三重県津市出身の聖なる賢者パプテマス白子しろこというのが、その臓器売買の元締めらしい。そして、街に現れる黄金の機械人間ゴールデンサイボーグ邪悪な噂マガツゴシップも已に広まっている。


そして、その一方、ネオナチがゾンビ帝国の復活というB級映画そのものの話が、池袋の元バーテンダーを中心にして話された。


その元バーテンダーは闇バイトの強盗事件で逮捕された悪党であった。


それが警察署で話した内容は難しい。


「だから、ガンマレイにはエンパイアオブジアンデッドがあってだな、ブルーハワイがかき氷に例えられるならばあれは練乳だ」


練乳、男は下劣畜生の例えで告げる。


それをまともに取り合う人間が根来正晴だったのは幸運だったかは全く不明瞭である。


根来正晴はそれに深く取り調べした。


「………練乳ね、真夏だったらTUBEが一番人気の時代も遠い昔って事か、まぁ、練乳ってのが、何かしらの重要事項らしいな」


それに、姫上灯ひめがみあかりは嫌がる。


「練乳って例えは女性差別的です」


根来正晴はそれにうんざりした。


「………フェミサイドは殺人事件だ、しかし、その逆もあり得る、メンズサイドだ、そいうコロッケだってあり得る話だ、そんな不幸はいらないがな、不孝はやめろ」


姫上灯はいつの間にか抜いた拳銃をしまった。彼女にとっては大問題であった。


その元バーテンダーの名前は浦島次郎うらしまじろうであった。逮捕から刑務所、その十数年後に出所した後、和歌山県の雑賀崎漁港で乱入エントリーして、そのまま日本防衛省の背広組へと就職を果たしたのであった。


軍神毘沙門天、上杉謙信の生まれ変わりのようだった、女刑務官に甘やかされ続けて、どくが裏返り、正義の味方へと復活した。メタモルフォーゼした。


それが202X年の今であった。


王瀬透秀吉と浦島次郎は双子ジェミニの関係性だった。









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