第一怪聖剣使いと魔剣使い①


賀茂義輝かもよしてるは上司の正義の惨状に震えていた。超実践派の法力僧侶ほうりきそうりょ残虐非道ざんぎゃくひどう殺戮外道さつりくげどう魔天部まてんぶ根来正晴ねごろまさはるの掲げる理想はこうだ。


「屑が栄えてはならない。悪が栄えてはならない、それでも、屑は増える、悪が増える、スーパーコンピューターや電脳空間で数えなくても算盤で充分だろう?人口は半分にした方が良いではないか、何故、生活保護やニートを生かせている?8050問題?25歳で死んでいれば良かったというようなのが多いだろう?」


それに賀茂義輝は批判していた。


「………奇異な善意だな………、だが、すぐに減らすのはよくない、逮捕が優先だ」


根来正晴はそれについて、とてつもなく嫌な顔をした。


「…………なんで?虐められて社会に貢献しないような社会的弱者を生かす道理など、今の世界にはない、何故ならば、富のためではない、道徳の話だ、小学校や中学校でも習っただろう?それを全否定して、何がある?SNSで勝ち誇って、社会に何か影響があると思っているのか?全て………消せ」


賀茂義輝はこの融通の効かない老人をどうすれば良いか分からなかった。


「………犯罪を起こした瞬間から殺すかどうかを考えてください」


根来正晴はそれにコンマ0,1秒ほど一考した。


「………誤認逮捕は良くない、それは理屈として、正しいな」


賀茂義輝はそんな彼の扱いに困っていた。快刀乱麻を断つとは不自然な処刑だ。


「………街中で蝉が啼く事が無くなって久しいな、街中の排気ガスはクリーンなエネルギーになった、エーテルという人間の魂魄を電力にしているのはいらないな」


魔術と科学の境目、エジソン、ニコラ・テスラの時代の前には魔女狩りがあった。


世界中には様々な霊魂が漂っている、それはこの時代にも変わらない。


地縛霊、浮遊霊、それを収縮して、一つの塊にする。まるで核兵器のような核圧縮であり、それを使えば、暗黒要塞の一つや二つなどいくらでも作れるだろう。


そこにアラートが鳴り響いた、警戒区域が発生した。


「………犯罪が起き………あっ!」


根来正晴は、警察署内をダッシュした。ダッシュして、三階の窓を飛び割り落ちた。


「馬鹿っ!」


根来正晴の武器は千手観音の髑髏杖を仕込み杖にした者である。


滅紫色めっしいろの和服を羽織り、片目の眼帯の中の眼球が疼く。


子供が虐められた。遊びで川に連れてかれ、そのまま川に沈み、溺れ、死んだ。


陽気に満ちていると殺戮が増えるという。気功学を熟知しない日本人は多い。


素行症というのがあり、飛び蹴りを、今時、カツアゲをした男の頭部に放つ。


「ダーク!フューネラル!」


根来正晴、こんな近未来の世の中に一番適応した正気のみの狂戦士バーサーカーだ。



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