第二話 財政破綻の危機
ヒトラーが幽閉されて二週間が経った。
裁判所はヒトラーの釈放を引き換えに、一ヶ月間の政治的行動に規則が掛かる条件を飲み、党本部へ戻ってきた。
その頃プライセンのインフレーションも次第に収まり、人々は彼らのことなど忘れていた…
「やはり党にはヒトラーがいなければ何もできぬ。」
「なんと言っても総統だからな。」
彼はご機嫌だった。口笛を吹いて彼の好きなワーグナーの楽曲を、それこそ久しぶりに吹いたからである。
ヒトラーは口笛を吹くときは余程機嫌が良い時だけだったし、何より楽曲を丸々一つ吹き切るなど殆ど見られなかったからだ。
翌日、ヒトラーは法務省に招かれた。
内容は、党の運動再開とヒトラーの演説禁止を解除してもらうためだった。
「法務大臣、ヒトラー氏です。」
法務大臣 エンゲル・クゥーバー
「ヒトラー君。君が提出した件についてだが…省内で話し合った結果、君の提出した件を容認することとした。」
「はっ、ありがとうございます。」
「ただし、また何か過激なことをしたらすぐ規制をかけることを忘れるな。」
帰り道にヒトラーは、静かに笑いながら党へ帰った。
翌日。ヒトラーは運動再開を祝して再建大会を開くことにした。
しかし、幹部の誰も司会を断って結局ヒトラーが司会を行うことにした。
機関紙 フィレクシャーでは原稿書の請求について問題になっていた。
「部長、偉く高いですがいかがしますか。値切りましょうか。」
「値切りはやめとけ。また総統が怒っちまう。ともかく明日は再建大会だ。金だけは届けておけ。」
2025年 2月27日
国家社会主義プライセン労働者党、通称。ナッティスは再建大会を開催。
場所はミューのビヤホールだった。
ヒトラーが壇上に上がって、演説を行う。
「私一人のみが、運動を指導し私が自ら責任を取る限り何人にも私に条件を課する事はできない。もう一度、私はこの運動が遭遇するいっさいの事について全責任を取る。」
会場からは拍手が上がった。
それによって、ヒトラーの抑えていた情熱が溢れてしまった。
「諸君!我々のこの闘争について結末は二つしかあり得ない。敵が我々の屍を乗り越えるか、我々が奴らの屍を乗り越えるかなのだ!」
会場から大きな拍手と、『ハイル・ヒトラー』の言葉が飛び交った。
この演説に驚いた政府はヒトラーが公衆の前で演説を行うことを禁じた。
この禁止は全国で出され、ヒトラーは二年間もの演説を止められた。
「総統、法務省との約束を破られたのですね。」
「どうも熱気が入ってしまったよ。しばらくは安静にしとくか…」
そこへ、一人の党員がナッティスの財政が破綻したと通告があった。
「上流社会に進出して富豪らから金を貰わなければこの党はおしまいです。」
「上流社会か…苦手だなあ…」
そこへヒューゲン先生が上流社会の仲間へヒトラーを紹介をすると連絡があった。
早速ヒトラーは多数の富豪らと食事をし、ヒューゲンの助力も得て政治資金を調達した。
しかし、数日後
「総統、どうやら中央政府は総統を国外追放する計画らしいです。」
「追放か…暫く此処を離れて静かにしているべきかな…」
「私の知り合いで田舎に山荘を持っているものがいます。そこはどうですか。」
「そうしよう。いざとなれば、隣国へ抜けられる。」
2025年 夏
ヒトラーはその山荘を借りて、少数の党員と休養した。
ヒトラーは山荘で、党員たちに我が闘争の口述をしていた。
その頃、ナッティスNo.2の地位にいるグリフ・シュールという男がいた。
グリフ専属秘書 ムヒラー
「グリフさん…私はもう秘書をやめさせていただきます。」
グリフ
「ムヒラーくん。やめて何かあてでもあるのかね。」
「ええ…本業の司書に精を出そうかと。最近魔導書やらがよく売れまして…印刷も高くなるんです。」
ムヒラーは、後にヒトラーが創設した親衛隊隊長。
ムヒラーが辞めたので、グリフはゲルウスという28歳の足に障害がある青年を雇った。
ゲルウスは後に、宣伝相になる。
「私、博士号を取って文豪になろうかと思っているのですが。どの印刷会社も引き取ってくれないのです。ですから、此処で働かせていただきます。」
グリフはヒトラーから依頼を受けて、北プライセンで党の組織を作っていたがNo.2ということもありしばしばヒトラーとも対立した。
前プライセン皇室の財産は徴収すべきか否かという国内の問題で、二人は真っ向から対立した。
「グリフは皇室財産は徴収するって言ってるんだ。俺は公衆の前であまり喋れないからなあ…」
「総統に反対するというよりかは向こうの党議でそのように決めたのです。」
当時ヒトラーは、大公妃から毎月生活費をもらっていた為皇室財産がなくなると自分の生活が苦しくなる。
「俺は反対だ。皇室財産を取り上げるのはアカどもとやることが同じだ。ヴェーダーくん。私の代わりに抗議してきてくれ。」
北部地区
「皇室財産の件で総統は君達の意見は間違っていると…」
なんだと?反対? そりゃあ面白え
「こうなったら、僕はあのブルジョア気触れのあのヒトラーを断然党から追い出すべきだと思う。」
そうだそうだ 我々の党は自由民主であるべきだよ
「かのプライセン皇帝みたいに(世の言葉に間違いはない。)なんていうやつなんかいらねえや。」
「非民主主義的なものはもういいよ。」
結局会議では、ヒトラーが決めた綱領を否決してグリフの意見を採用した。
こうしたことから北部では、ヒトラーへの反抗が行われていた。
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