差別
16歳になり客を取るようになったある日。初めて差別にさらされた。
「おい、客が来た。2番の部屋に入れ」
言われた通りに部屋に入ったら待っていたのは大柄な冒険者だった。
ここはレーヴェリオの娼館の中でもBランクの冒険者がよく利用する場所だ。
この世界の冒険者はF~SSランクまでいて、Bランクは1番荒くれものが多い。
今日の客は特に酷かった。
ラルムが入った瞬間にわかりやすく顔を顰めて言った。
「うわ、無理無理なにその髪と目。チェンジだチェンジ」
言っている意味が分からずラルムは戸惑いながら言った。
「あ、あのお客様何か至らない点でも…」
途端に客は強いglareを出して言った。
「だから、その髪の色!水色とか生理的に無理。消えろ!」
強いglareと共に言われて胸がぎゅっと締め付けられた。
「あ…ぁ…」
こんなに強い嫌悪感と共にglareを当てられたのは人生で初めてのことだった。
不安に耐えきれず体が震えて床に崩れ落ちた。思考がどんどん悪い方に持っていかれる。
(消えろ…この髪気持ち悪いの?…消えろ消えなきゃ…)
「うわぁ、すぐ落ちるとか引くわぁ。さすが底辺sub。」
薄笑いしながら客は別の部屋に案内されていった。
(暗い…怖い、こわい…誰か)
「はっ、はぁ、はぁ」
胸が苦しくて呼吸がうまくできない。暗くてどろどろした何かが迫ってきている感じがする。
しばらくしてdomの従業員が来た。
そしてめんどくさそうに頭を撫でながら言った。
「#good boy__いいこ__#……はぁ、めんどくさいからすぐ落ちんなよ。初めてのdropだし#仕方なく__・・・・__#ケアしたけど次から自分でなんとかしろ」
そんな最低なdomからのケアでもされないよりはましだったみたいで、なんとか落ち着きを取り戻した。
部屋に戻り今日のことは客の引きが悪かった、たまたまなんだと自分に言い聞かせた。
でも次の日からそれは違うと分かった。
昨日の客が言いふらしたのかは分からないが客が全く取れなくなった。来てもすぐチェンジされる。
チェンジする人は皆一様に同じことを言っていた。
水色は流石にキモい、人間じゃない、死ねと吐き捨てる人も中にはいた。
そんなのが続いたある日突然、指名されたからすぐに行けと言われた。
指定された部屋に行くと、この前の男を含めた3人ほどが部屋にいた。
そしてニヤニヤとした笑みを浮かべながらいった。
「お前客取れなくなったんだって?」
「しょうがないから俺たちが相手してやるよ」
いきなりglareを当てられた。驚きと恐怖で身体がかたかたと震え出す。
「まずは~#Rick__舐めろ__#…ちゃんと奥まで咥えろよ。」
おもむろに自分のモノを取り出した男はセーフワードの確認もなく命令する。
「や、んぐっ…んん…やぁっ」
dropしないギリギリを攻められ命令され続ける。
「#present__魅せろ__#…中までで色薄いとか全然そそられない。#down__伏せろ__#…ん」
処女を奪われたのもいきなりだった。
「ぐっ…んぅっ…あっ」
悔しくて悲しくて怖くて辛くて、涙がぼろぼろと溢れてくる。
なんでこんな目に遭わなければいけないんだろう。どうして母は自分のことを売ったんだろう。
もうdropでもなんでもいいから終わりたいと思っても、ギリギリでケアされるからなかなか解放されなかった。
体力的にも精神的にも限界でボロボロになったところで客は去っていった。
「お前見た目さえ我慢すれば意外といいな。またくるから楽しみにしてろよ」
終始ニヤニヤと嘲笑を浮かべていた。
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