商品として

13歳になり第2性の検査を受けるため養育所の隣の教会に子供達が集められた。


主祭壇の前に立ち、上に置かれてる魔水晶に手を置く。


赤に光ったらdom、青に光ったらsub、黄色はノーマルだ。


光の明るさによって第2性のランクがわかる。



ラルムの番になった。


緊張しながら魔水晶に手を置くと、人一倍明るく青に光った。


subで、しかもランクが高いと分かり職員には憐憫のこもった目で見られた。


ランクが強かったことからdom専用の娼館の中でも治安の悪い場所に連れて行かれた。



そこでの暮らしは酷いものだった。


まず朝起きたら従業員の食事を作り配膳も後片付けも全部する。


食べ終わった食器を冷たい水で洗い洗濯をすべて手作業でする。


貴族のあいだでは自動洗濯用魔道具がよく使われているらしいが、そんなものあるわけがない。


全てが終わったら閨教育とsubとしての調教を受ける。


男の場合どこでヤルのか、奉仕の仕方や後処理などの仕方を教わったあと、さまざまなコマンドに対応出来るようにdomの従業員から調教される。


これら全てが終わらなければ食事は食べてはいけない。毎日生きるために必死だった。



ある日、手荒れだけはしない様にとハンドクリームが支給された。


その時はじめてあの日看病されたことは商品価値が無くならないようにだったのだと分かった。


毎日同じことの繰り返しの中で今までがどんなに恵まれていたのか実感した。


いつも変わらず出てくる食事、抵抗しなければ何もされない、熱が出たら貸し出される布団。


何にも気づかずに過ごしていた。

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