白血病キャリアの「ふー(リカ)」

 

 ラリマー開設年の2021年に生まれた仔猫の中に、FeLV(猫白血病)陽性の子が3匹いました。

 1匹は1歳を迎える前に亡くなり、1匹は東京のボランティア宅で今も存命。

 3匹の中で最年少(といっても2~3ヶ月の違い)だった「リカ」が、里親さん宅で永眠しました。


 ふーちゃんという名前をもらったリカは、2021年の11月の検査で白血病キャリアと分かった仔猫。

 兄弟は無く、畑でひとりぼっちで鳴いていた仔猫は、一体どこから感染したのでしょうか。

 保護開始時は乳飲み子だった子が感染するとしたら、おそらく母猫からでしょう。

 多分母猫も今はもう生きてはいないかもしれません。


 保護開始時からミルクボランティア宅で一人っ子生活をしていたリカは猫嫌い。

 里親さんが帰省のため我が家で預かったときには、他猫とは完全隔離しているのに猫の匂いに反応したのか狂暴化してキャリーに立てこもり、帰るまで飲まず食わず排泄もしませんでした。

(出てこないしパンチされるのでそっとしておいて、帰る時は扉を閉めてそのまま里親さんに返却)

 隔離が必要だから、猫嫌いでちょうど良かったかも?


 今年1月28日に内地へ引っ越して、新居で暮らし始めて4ヶ月ほど経つ頃。

 食欲が落ちて元気もなく呼吸が速くなったのを心配した里親さんが病院へ連れて行き、肺水腫が見つかりました。



【猫の肺水腫について】

 肺水腫とは、毛細血管から肺胞内に血液の液体成分が過剰に漏れ出て貯まってしまう病気。

 肺は空気を取り込む場所なので、液体が貯留することで呼吸困難になったりする。

 貯まった水分を取り除くことで呼吸は楽になるが、再び貯まってしまうことが多い。

 重度の場合、命に関わることもある。

 猫の肺水腫は、心臓病が原因で起きる「心原性肺水腫」と、心臓病以外が原因(肺炎などの病気、火事などによる煙の吸引、電気コードをかじる、などの事故で肺の毛細血管が病的な変化を起こした場合)で起きる「非心原性肺水腫」の2つがある。

 確率的には心筋症などの心臓病が原因の「心原性肺水腫」が多い。

 肺水腫は発症してから急激に症状が悪化し、命を落とす場合もある。



 今回のリカの場合は、「肺に大きな腫瘍のようなものがあり、水が溜まっている」という診断。

 つまり、「非心原性肺水腫」。

 この腫瘍ができた原因が白血病ウイルスによるものか否かは不明だそうです。


 不治の病とされ、酸素室などの緩和ケアを始めて1ヶ月ほど経つ頃……


「ふーちゃん、残念ながら力尽きちゃいました」


 ……そんな報告LINEが、筆者のもとに届きました。


 ふーちゃん、どうか安らかに。

 白血病キャリアの仔猫で3年も生きたのだから、かなり長生きした方かもしれません。

 石垣島の獣医師の話では、検査で白血病キャリアが分かった猫は、9割が1年以内に命尽きているそうです。


 ふーちゃん、3歳の若さで虹の橋のたもとへ。

 育ての親ミルクボランティアでもある里親さんの傍にずっといられて、愛情をたっぷり注いでもらえたから、彼女は満足していると思います。



※画像「リカ」

https://kakuyomu.jp/users/BIRD2023/news/16818093079808178543

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