カラスに襲われた仔猫の相談案件⑤~野良から地域猫へ~
カラスに襲われているところを保護され保健所入りした仔猫、その母猫のTNRを完了しました。
避妊手術を済ませた母猫とその姉妹は、投薬期間が終わった後に元の場所へリリースしました。
これからは妊娠や出産で栄養を取られる事は無くなり、産んだ子をカラスに襲われる事も無い。
ケージの扉を開けると、母猫はすぐ飛び出して走り去り、姉妹はしばらくケージ内で固まっていましたが、やがて立ち上がったとおもったらダッシュで逃げ去りました。
TNRは、避妊去勢手術をする事で野良猫の増え過ぎを防ぎ、地域猫としてその動向を見守る活動です。
稀に「保護して里親を探す事」と間違えておられる方がいらっしゃいますが、そうではありません。
猫は繁殖力がとても高く、交尾をすればほぼ確実に妊娠する「交尾排卵」の動物です。
交尾排卵とは、交尾の刺激で排卵するもので、哺乳類の中では猫とウサギとごく一部の動物だけが持つ繁殖機能。
妊娠は年中可能で、子育て中ではないメス猫は栄養状態が良ければ交尾して出産に至ります。
避妊去勢手術をしていないオスとメスが1組いたら、翌年にはその10倍の20匹以上に増えると言われています。
TNRは、それを抑制するもの。
筆者は空家の主に頼まれてそこに住み着いた野良猫たちの餌やりをしていますが、餌やりを始めた時に12頭だった野良猫たちが、半年後に仔猫が産まれて一時は50匹超えになり、驚き慌てた経験があります。
※猫たちはその後全頭TNRして、現在では繁殖は無くなりました。
石垣島では、まだあちこちで野良猫の繁殖が続いています。
仔猫も4月から次々に相談が入りますが、毎週日曜開催のラリマー譲渡会で里親が決まるのは年に30匹ほどです。
保護するだけでは解決にはならない。
TNRと、地域猫との共存をお願いします。
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