第9話 『ダス・スター』 その2


 明るい出窓にレースのカーテンが拡がる。


 小鳥の鳴き声が聴こえ、小枝にそよ風がわたる。


 なぜだか、爽やかな日光が差し込んでいる、白い部屋の中に、上品なテーブルが置かれていて、そのテーブルには、すでに、食前酒と、冷製スープが運ばれていた。



 『さあ、みなさま、どうぞ、お掛けください。』



 コンサート・ドレスのハニー・バーが、飛ぶように 軽やかに現れて、そう、言ったのである。


 ハニー・バーの年齢は、良く判らない。


 果たして、人間なのかどうかも、はっきりしない。


 今時は、人間とロボットの区別を見た目で決めるのは困難である。



 さっきの、案内役みたいに、ロボットワッペンをしていたら別だが。


 AIは、とっくに人類を越えていたが、暴走はしていなかった。


 AIのエネルギー源を、人類が押さえていたからである。



 人間は、すぐに年を取るものだったが、惑星『青春共和国』ではそうではない。


 人間とロボットの差は、その面でも無くなっていたのである。


 しかし、ハニー・バーは、謎の反逆者だ。



 『本日は、『ガダンプラールのジャヤコガニュアン風ステーキをメインにしたダス・スター・ギャランティ・フルコース』をどうぞ、お召し上がりください。』


 ハニー・バーが紹介した。


 一丁目裏道食堂の『上しょうが焼き定食』以上の食事をしたことがない、ノウメンマンは、非常に緊張したのであった。


 ハニー・バーは、そんなことは、先刻承知であったが。



         🍴😋🍚


 


 


 


 


 


 

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