第4話「キリの過去」

「キリュート、お前はこのヴァンハード家にはふさわしくない!」

「薄汚いあの女がやっと、死んだのだからお前はもう、用済みよ!」



義弟親子の胸糞悪い、高笑いが耳について離れない。

言われなくても、こんな家出て行ってやるさ。


キリは、治療薬と魔法薬作りの徹夜明けで、疲れており、うとうとと居眠りをしていた。

ハッと気づくと彼は、目を開けて机に突っ伏していた体を起こした。



ふと、気がつくとキリの背中には、毛布が掛かっており、傍らにはツナとポテトのサンドイッチの乗った皿が置かれていた。

「エマか…。」

キリは、硬い表情からふっとゆるみ、柔らかな笑みを浮かべる。


「しかし、数年ぶりに嫌なことを思い出してしまったな。あいつとエマは、決して会わせないようにしなくては」

キリは、それを再認識し、朝食を取ってからエマの部屋に向かった。



+☆+


「エマ、いるか?」

キリは、エマの部屋のドアをノックする。

しかし、エマは既に薬を売りに行った後で、部屋にはいなかった。


「いなかったか…エマが、あいつに出遭わなければ良いが、心配だ。」

キリは、水晶玉でエマの様子と現在、どこにいるのかを確認しながら、外出をした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

エマがお久しぶりの方も初めての方も、お読みくださりありがとうございます。

やっと、一話書けた、久しぶりの魔女のエマでした(;^ω^)

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