第3話「キリの提案」

「エマ」

森の魔法使いキリの弟子の見習い魔女。

貴族の少年のことが好き。


「キリ=エヴァンスタン」

森の魔法使いと呼ばれている。少年のようにみえるが成人している。

弟子のエマのことが気になっている。


「キリ」イメージAIイラスト

https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16817330659176040238


「ルウ」

町の孤児、母と父もいず、食べ物を盗んで、弟とその日暮らしをしていた。

パン屋でエマとキリに出会い。助けられる。


🌛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・🌛


パン屋から少し離れた噴水広場で、三人は座りながら話しをしていた。

「あなたのお名前は?」


エマが優しく聞くと、少年はうつむきながら話す。

「僕はルウ、助けてくれてありがとう」

ルウはそのまま、顔をエマとキリの方に向けた。

「腹減ってたんだろう?これでも、食いな」

とキリは、布袋の中から自分の昼飯の弁当を出し、手渡した。


「いいの?」

喜ぶ、ルウ。ルウがフタを開くとハムとチーズのサンドイッチが入っていた。

「わあっ!サンドイッチだあ」

ルウは、目を輝かせた。


微笑みながらうなずくキリとエマ。

大きな口を開けて食べようとした。ルウだったが。


「僕、弟がいるんだ。これ、弟に持ってっていい?」

「ああ、良いよ。それと、こんなこと聞いて申し訳ないが。親はいないのか?」


とキリが聞くと、ルウの顔が曇った。


「うん、母ちゃんは、一週間前に死んじゃった。家には、僕と弟だけ。父ちゃんは、僕達を捨てて出てった」

「何て酷いっ!お師匠様。どうにか、ならないでしょうか……?」


エマは、涙で目を潤ませながらキリに聞いてみた。

「うーん……。そうだな。」

キリは、しばらく考えていたがしばらくして顔を上げると


「そうだ。ルウお前。魔法使いのオレの弟子になる気はないか?働き手がもう一人欲しかったんだ。弟と引っ越して来てくれ」そう言った。

「うん、分かった!お師匠さま。僕、一生懸命働くよ!」

ルウは嬉しそうに答えた。

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