第11話 お説教とその後
夕飯の時間を過ぎたことに対するお説教は……
1時間後の今もなお続いていた。
「本っ当にごめんなさい!!もう二度とこんなことはしません。」(もうすぐ異空間の時間操作できるようになるし、こっちの時間経過なんて無視出来るようになるしねぇ〜)
『なんか別のこと今考えてない?』
「考えてないです。本っ当にすいませんでした。」(ギクッ、社会人時代に鍛えたこの私のポーカーフェイスを見よ!!)
『まぁいいか。もう二度とこんなことはないのね?』
「はい!もう二度としません!」
『全然帰ってこないからほんと心配したんだから。じゃあ夕飯食べましょうか。』
「はい、母様。」(フッ、乗り切れたか。でも長かったなぁ〜流石に1時間越えは長すぎだろ〜)
その日の夜、遂に……
(よっしゃー異空間創造のレベルが上がって時間の経過も操作できるようになったぞーーーー!!!)
早速異空間に入ったルミネは興奮のあまり叫びだした……
「今夜は魔術試し撃ち祭りだーーー!新技開発も思う存分できるし〜あぁ興奮してきた!!地上じゃ試せなかった技もあるし、今夜は思いっきりぶっぱなすぞーー!!」
そう心の中で決心をした彼女が最初に放ったのは……
「あ、忘れてたけどちゃんと地上の環境を再現しとかないと魔術使えないじゃん!
何事もなかったかのようにルミネが放った魔術、それは……
「地中の重金属を抽出、そして凝縮……ふ〜眼前の敵を押し潰し粉砕しろ!!
"ドドンッ!ボッカーン!ドドドドドーン!ドカーン!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドカーン!ドコンッ!ドンッ!ドッカーン!"
「いや、世紀末かよ……ていうかコレ……いつ使うん?封印やねぇ〜さぁ次いってみよう!!とその前に……
:
:
「よし、やるか。ベクトル操作……全ての力が一点に向かい、集中、収束……万物を消しされ!!
"ヒュンッ"
「おうふ……さっきのに比べればだいぶ静かだけどえっぐいなぁ……ふあぁ〜そろそろ眠たくなってきたしあっちに戻って寝るか〜」
数年後……
「じゃあ今日もレベリングしてきますね!」
『行ってらっしゃ〜い!あんまり無茶しちゃダメだからね〜ソロ討伐なんだから同格から格下を相手にしなさいよ〜』
「わかってるって!無茶して怪我なんてしちやったら父様母様を心配させちゃうからね。ちゃんと気を付けるよ。」
『ならいいんだけど……じゃあ頑張ってきてね!!ルミネが倒してきた魔物ってまだ見たことないけどどんな魔物を倒してるのかしら。ゴブリンとかコボルトかしらそれともウルフ?やっぱりうちの子は天才だわぁ〜!』
(さてと、龍でもシバキにいきますか〜これから何を倒しに行くかバレたら絶対怒れるんだろうなぁ〜なんだか騙してるようで気が引けるし、罪悪感もあるけどこれも強くなるためだ!うん……)
とまぁ若干の罪悪感を抱えながら空を飛んで今日の標的である龍が多く生息する魔境。通称 龍の巣へと飛翔していくのだった。
余談だがルミネは転移することができる。ではなぜしないのか……
それは単にルミネが酔いやすいからだ。転移酔いが嫌だからという理由で転移を普段使いしていないのだが、緊急事態には迷わず使うと決めているのだから問題ないと理論武装して自分を納得させていた。
「やっと着いた〜やっぱりここは遠いなぁ〜いっそここら辺に住みたい!レベリングの効率上がるし……まぁ転移すりゃいいんだけどめっちゃ酔うから復活までだいぶ時間かかるからなぁ……実験した時……めっちゃしんどかったなぁ……もう二度とやりたくない……」
「いつまでもこの装備でレベリングするのもアレだし鎧と武器を鍛冶屋でオーダーメイドするか。ちょうど今日狩る奴らの素材を持ち込めば結構良いのを作ってもらえるだろ!別に今のが品質の低いやつってわけではないんだけど。」
それもそのはず、親バカ公爵たるルミネの父が可愛い娘のために用意した物が普通のもののわけは無い。かなり上等な物を用意してくれた。
とはいっても龍を狩ることを当時の彼女の父は想定していなかった。それはそうだろう。龍を狩る幼女など、どこにいると言うのだという話だ。
「良い物ではあるんだけど私にはちょっと見劣りしちゃうからねぇ〜ちょうど良い素材が手に入りそうだし、帰りに寄っていくか。今からワクワクしてきたァァァ!!今日はサクッと数十匹倒して早めに帰るか。」
ルミネのその言葉を合図に……狩りが始まった……戦闘だとかそんな生易しいものではなかった……"それ"は一瞬で……終わった……
「やっぱり龍じゃ弱いな……魔術に対する防御が弱すぎる。体内に直接物を転移できる時点で死んだも同然だってのに……」
ルミネが何をしたかと言われると物をある場所に転移させただけと答えるのが正解だろう。実際彼女はそれ以上のことをしていない。
ただ、龍の心臓の場所にピンポイントで拳大の石を転移させただけだった……
「思ったより早く終わったしはぐれの竜でも探すか〜」
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