第12話 竜殺しに俺はなる!
「龍の巣だから竜はいないのかなぁ〜支配種的な感じでいるとは思うんだけどなぁ〜ところで竜肉って美味しいのかなぁ〜お腹空いてきたなぁ〜やっぱり素材の味を味わうためにステーキかなぁ……でも竜カツ……これもまた魅惑の響きだよ……」
竜を倒したあとのこと、しかも竜の調理方法を悩みながら目につく龍を片っ端から狩っていくルミネ。
その場に居合わせた龍達からすればルミネはまさに死神……龍達は自らひいては種族の存続のため、生存本能に従って全力で逃げた。
しかし、彼らは何もかも遅すぎた……彼らはルミネが近くに来た瞬間にガン逃げするべきだったのだ。ルミネに獲物として補足された時点で彼らの命運は尽きていたのだった……
「あぁ!ハハッ、はぐれ竜み〜っけ!!素材採りたいからあんまり鱗とかに傷つけたくないんだよねぇ〜どう倒そうか。」
このクラスの魔物になるとおそらく龍にしたような方法だと魔術に対する耐性で弾かれてしまうだろう。
「さて、どうしたもんかねぇ…………う〜ん。よし、首斬るか。今のシチュエーションにピッタリの魔術のイメージ浮かんだし、ぶっつけ本番だけどやってみるか!」
(この世界から鉄隕石を抽出、より薄く、そして鋭く!そして浮かせて……)
「ぶっつけ本番だけど上手くいったな。我が敵の首を取れ!!
"グサッ"
『グガァァァァガ……グガ……ガ……ガ……』
"ザシュッ、ズシーン!!バタンッ"
「討伐完了!!なんか呆気なかったなぁ〜やっぱり母なる大地は偉大だわ。今回は重力加速でちょんぎっただけだしなぁ。母の力は強かったということで!さっさと異空間に龍と竜放り込んで帰るとしますか。肉食べたいし時間止めとっか。これで良しっと……ん?何かこっそり逃げようとしてる魔物いんじゃん。なんだろう……竜かぁ。よし!もう1匹狩ってくか!」
"ビクッ!!"
そう言うとその竜は……怯えた様子で腹を見せて寝っ転がった。
"ブルブルブルッ"
そして、じっとルミネの方を見つめていたのだった。
「仲間になりたいのか?」
『…………ガウ!』
傍から見れば命乞いをしている様に見えたがそんなことには気付かないルミネは仲間になりたいと思ってそのまま連れ帰るのだった。
「いや〜魔力使わなくても呼び出せるし、空は飛べるし便利な移動手段が手に入ったなぁ〜」
とまぁとってもご機嫌なルミネは何も考えずに街に帰って行った。今自分が何に乗っているのかも忘れてた……
一方その頃街では……
『大変だーーー!!竜が……竜が街に攻めてきたぞーーー!!』『クッ……俺はとりあえず領主様に報告してくる!!できるだけ多くの戦力を動かしてもらってくるから!!』
『頼んだ。アレを相手に稼ぎなんてろくに出来ないだろうな。せいぜい注意を引くのが関の山か……お前らは領民の避難誘導を頼む!』『分かりました!!でも隊長は……』『俺は囮としてヤツの注意を引いてきてやるさ。』
『そんな!!そんなことをしたら隊長は……』『嫁さんも俺がもうこの仕事をやっている以上、覚悟は出来てるさ。俺はもう歳だしな。もしもの時は家族、そして領民を守って死ぬつもりとも話してたしな。』
『……』『俺は老い先短いジジイだ。でもお前らは違う!!未来ある若者をここで死なせるわけにゃあいかねぇ!!』『隊長……』
『この街の未来を頼んだぜ……』『……隊長、先あっちで休むなんてダメですからね!一生恨みますからね!』『それに、僕らに領兵のお兄ちゃんって懐いてくれてる隊長のお孫さんに顔向けできないじゃないですか!隊長、勝手に死なないでくださいね!!』
『そこまで言われちゃ死ねねぇなあ!おうよ!絶対生きて帰ってくる!!』「あ、あのう……決死の覚悟を決めたところ悪いんですけど……すいません!!あの竜は私の従魔なんです!お騒がせしました!!」『へ?』
「本っ当にすいません!レベリングから帰る時に今自分が何乗ってるか忘れて街に近づいてっちゃって……何か領民のみんなが死ぬほど慌ててるのを見て思い出して着陸して竜に待てしてからダッシュで来たんですけど……本っ当にすいませんでした!!」
『あ、ルミネ嬢。領主様にはもう報告しちゃいました……』
「あ、終わった……これは家に帰ったら長時間説教だぁ……」『いや、お説教は今からだぞ!ルミネ。』「父様、ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!」『なんでこんな事態になってるのか、お前の口からじっくり説明してもらわないとな!』「ひっぐ……はい……」
ルミネは珍しく本気で怒った自らの父が余程怖かったらしくトラウマになったそうだ……その日から時折夢にこの日のことが出てきて寝言で謝り続ける彼女の様子を見たメイドがいたそうだ……
そして次の日……
「あ、鍛冶屋行くの忘れてたーーー!!早速今から行きたいところだけど、この街で1番の鍛冶屋ってどこなのかなぁ。父様に聞……くのは怖いし気まずいから執事長に聞くか!お爺様の代から執事をしてる執事長なら良い鍛冶屋を知ってるだろうしね。」
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