第4話 露見と開き直り
産まれてから1ヶ月が経とうとしていたある日、サネリア公爵家で爆音とともに事件がおこった……
"ボンッドッカーン" "パラパラパラ……"
『敵襲か!?』
『ルミネ、大丈夫?怪我とかしてない?』
「いや…えっと〜その〜ですねぇ〜」
『『しゃ』』
「しゃ?」
『『喋ったーーーーーーー!!!』』
「ん?あ……」
ことの発端は遡ること数十分前……
私は今までは避けてきた火魔法の発動に踏み切ることにした。避けてきた理由は単純明快、威力の制御に失敗した場合どの程度の被害がでるか予想がしにくく、目立つからだ。だがこの日、ついに火魔法を発動させることにしたのだ。
(魔力で水素を集めて魔力を熱エネルギーに変換して発火っと。小さい火、小さい火……)
"ボッ"
(良かった〜できたー!!)
ここまでは良かった。ここまでは……
今思えばここでやめておけば良かった……
だがその時のアイデアは画期的で思いついたからには試しにやってみたくなったのだ。私はその衝動に抗いきれなかった……
(火かぁ〜そういや前世の学校で核融合反応とか習ったな〜なんだっけあれ……原子核同士がぶつかり合ってより重い原子核になるんだったか……魔力同士をぶつかり合ったらどうなるんだろう……重魔力とかなるんかなぁ〜よし、やるか!)
(こうか?いや、こうか?こうかなぁ〜?う〜ん……出来た!試しにさっきの火魔法使ってみるか……小さい火、小さい火……)
"ボンッドッカーン" "パラパラパラ……"
後にこの事件の首謀者のR氏はこう語っている……
「自分でもなんでこの時こうも短絡的にやると決めてしまったのかわからない。今はとても反省している。もう二度とこんなことはしない。」
とまぁこんなことがあって冒頭の場面に戻る……
「ば、ばぶぅ〜」
『そっかそっかぁ〜赤ちゃんだもんね…………ってなるかい!!さっきまでバリバリ喋ってたでしょうが!!』
(やっぱり無理だったか……)
「あ、はい……」
『さっさと事情を話しなさい。』
「魔力操作で遊んでて試しに火魔法を使って暴発させました、以上です。」
『(え?魔法?ルミネはまだ0歳。信じ難いけど魔力の残滓があってその魔力はルミネの物と一致する……まさか、うちの子天才!!)ゴホンッ、魔法を使ったのは今回が初めて?』
「
『ウソね。お母さん怒らないから自分の口から本当のことを言いなさい。』
「今回で6回目です。」
『あ、そうなのね。分かったわ、自分で言えて偉かったわね。(思ったより多かったわね……)』
「母様父様、実はお願いが………………」
"バレちゃったものはしょうがない"とルミネは開き直っていた。
『なんでルミネは喋れるの?0歳なのに……』
(この際しれっと言っちゃうか。そのままおねだりして言質を取ってしまいたいなぁ……)
「それは私が前世のことを覚えてて胎内で言葉を聞いてて産まれてからも聞いて勉強したからなんだけど、そんなことは今いいんですよ。武術を教えて欲しいんですよね。明日の朝からお願いします!!」
『ルミネのお願いは分かったんだが前世って……』
「言質取りましたからね!じゃあ明日の朝早いし私もう寝ますね!!おやすみなさ〜い!」(よし、作戦通り!)
『あ、スキップしてった……』
『どうするの?ほんとに教えるの?』『そんなわけないだろ。まずは体力作りからだな。』『結局教えるのね……あの子は公爵令嬢なのよ?もっとお淑やかになってもらわないと!あれだけしっかりしてるんだから公爵家の令嬢としての自覚を持ってもらわないと……』
『いずれあの子は
一方その頃……
「よっしゃーー!言質取った言質取った言質取ったーー!!これで明日から武術も極められる!この年齢から特訓できるのはアドバンテージだ。才能がなくても続けた年月は裏切らない!ある程度の形にはなるはず。魔法を極めるだけだと近接戦に不安が残るからね。ある程度攻撃を捌いて距離くらいは取れるようにしないとな……」
「よし!明日も朝早いし寝るか!ああ〜明日の朝練が楽しみすぎて寝れない……いや、遠足前日の小学生かよ。明日は初日だし、しっかり寝て万全の状態にしとかないとな……羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹、羊が4匹、羊が5匹、羊が6匹、羊が7ひ……スピー…スピー…スピー…スピー……………」
"ガチャッ"
『さっきは突然大人みたいに喋りだして驚いたけどこうして寝てる時の顔は年相応な女の子で可愛いわね……ルミネ、そんなに早く大人にならなくて良いのよ?じゃあ、いい夢を…おやすみ。』"チュッ"
"バタンッ"
こうして強さを追い求める
世界が彼女という
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