第3話 新たなる日常

 どうも皆さんこんにちはルミネです。まぁルミネと言われても誰かわからないと思うので少し自己紹介をしたいと思います。


 私はルミリーネ・サネリア=アレクシス。この物語の主人公の宮中修司の転生体です。まぁ私はアレクシス王国という所の公爵令嬢になったわけなんですけど、特にやることは変わらないんですよね。


 そりゃあそうですけど、赤ちゃんですし……

ただの転生だと思ってたら性転換までしちゃった私の新しい家族との新しい日常をご覧下さい!

 

それでは本編が始まります。3・2・1・Q〜


――――――――――――――――――――


(いや〜順調順調!言語習得を出産に間に合わせれて能力スキルも生えたし!魔力操作の特訓も胎内では出来なかった体外制御してたら熟練度がおいしいことおいしいこと。魔力を体内循環した状態で動くとどうなるかの検証も出来たし順調すぎて怖いくらいだよ。我が世の春とはこのことよ!)


「ワーッハッハッハッ〜ん?部屋にメイドさんが近づいてきた!寝たフリ寝たフリっと。」


"すぴ〜すぴ〜"


『お嬢様はほんとにお行儀良くて手のかからない子ですね〜。おしめも…大丈夫そうですね。 』


"すぴ〜すぴ〜"   "バタンッ"


 なんとか寝たフリを続けたルミネではあったが内心では恥ずかしさに悶えていた。それはそうだろう。前世がある分彼女の精神年齢は39歳。介護を受ける年齢でも障害があった訳でもないため、おしめの確認をされるのは精神的にだいぶくるのだ。


 しかも、確認をするのはメイドさんつまり女性である。ルミネの前世は男の子、彼女の主観では39歳の健常なおっさんが女性におしめの確認をしてもらう……

 

 ただの犯罪である。その罪悪感と羞恥心から彼女は日々おしめの確認をされるたびに悶々としながら生活していた。


「……よし、こんだけ離れればもう聞こえないだろ。」


(恥ずっ、いや恥ずっ……私は女の子、乳児、だからなんの問題もない……はず。)


 何事も無かったかのように振舞ってはいるが無論痩せ我慢であった。元が男であるとはいえ生まれ変わって今は乳児である以上なんの問題もないのだが、元男としての大切な何かがゴリゴリ削られていく気がしていた……


 そして、彼女を襲う羞恥心はおしめの確認時だけではなかった。彼女の食事の時にやってくる。

 

 そう、授乳だ……おしめの時同様、39歳のおっさんが若い女性の乳房を咥える……


 ただの犯罪だ。そのおっさんが乳児の皮を被ってなければの話ではあるが……


 彼女がこの光景になれるのにはまだまだ時間がかかりそうだ。つまり、こうして誰もいない所で1人で羞恥心に悶える日々はまだまだ続いていくのであった……


 今日も今日とてルミネは体外魔力操作で遊んでいた。そして遂に、前々から計画していたとある実験を始めようとしていた……


(今日は誰かにバレる訳にはいかない……なんてったって今日は魔法を使うんだからね!!)


 前から魔法を使いたいと思ってはいたルミネだったがなかなか監視の目おしめの確認を回潜れなかったのだ。明日は公爵家ウチの長男の誕生会兼お披露目会でそれに向けてメイドさんや両親が忙しなく動き回っている。(まぁルミネが手のかからない子であったのも今1人でいる理由ではあるのだが……)


(何はともあれ1人の時間ができた。ならやるっきゃないよね!まぁミスって大惨事になるのだけは避けなきゃだからねぇ〜兄様のお披露目会の邪魔しちゃ悪いし……まずは小さい光からかな?まだ明るいから目立たなそうだし大丈夫だろ。大丈夫……だよね?まぁやりたいことやらせてもらうんだけどね。)


(空気中で魔力を集めて凝縮させて集まったエネルギーが光エネルギーに変換されて発光するイメージで……小さい光、小さい光!)"ピカッ"


「光ったーーー!!あ、やべっ……」


(近くに誰も来てなかったから大丈夫だったけどもっと気を付けないとな……)


 彼女が転生者だとバレたら怖がられる可能性も迫害される可能性もある。悲しいがそれが現実だった……変わらず接してくれるかもしれない。だが現状、彼らが転生者であることを話してもいい程信用できるかはまだ分からなかった……


(そういや魔法使うときってなんかこう……詠唱とか魔法陣的なのは必要ないんだなぁ〜今日初めて魔法を使った私が詠唱なしで魔法使えるんだから他の人も詠唱なんてしないんだろうな。ぶっちゃけ詠唱とか恥ずかしいし、言いたくなかったから良かった良かった。厨二病くさい詠唱とか絶対言いたくないしな……)


 彼女は当たり前のように無詠唱魔法を行使しており、他の人も無詠唱で魔法を使えると思っているが……無論、そんなことは無い。無詠唱魔法の行使は賢者と呼ばれる程の天才魔法使いが一生をかけて挑むレベルの技術であり、この時代には一人もいなかった……


 彼女が無詠唱魔法を使えたのには3つの要因がある。魔法を使うイメージをしっかりイメージ出来ていたこと、人並外れた魔力操作能力を有していたこと、魔力量でゴリ押せたことだ。


 魔力量に関して彼女は気付いてはいない。だが着実に魔力操作の特訓で増えていたのだ。本来この方法ではほとんど魔力量は増えない。だが四六時中この特訓をしていたため、塵が積もって山となってしまったのだ。


 だが、彼女がこれらの事実に気付くのはまだ先のことだ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る