息継ぎをするように文章を……

 web小説を読む時に文字数を気にしますか?


 私はします。

 何十話、と表示されているのに総文字数が数千字台だと、中身スッカスカなんだろうなー、と思ってスルー。


 ひとつには私が活字中毒だからなんですが。

 できれば中身(字)の詰まった濃い話を読みたい。

 一時期、友人から勧められたこともあってツイッターをやろうかなーと考えたこともあったのですが、言いたいことが140字で伝えられるならこんなとこで小説なんて書いてない。


 一方で、1話完結で数万字(実話)、というのを目にした時は、「これは人間の読むものじゃないだろ…」とビビッて撤退しました。巻物か。


 パソコンorスマホ画面で読む場合は段落ごとに一行アケすべきだ、としている創作論もよく見かけるのですが、個人的にはweb小説の一行アケが好きになれないので、エッセイ以外では使っていません。


 いや、記事ニュースを読む時は一行アケしてくれていると読みやすいので、視覚的読みやすさは理解しています。

 ただね…誰が始めたのか知りませんが…一行アケを多用している作品で、いわゆる格調高い作品に出会ったことが無…もとい、読みやすくするなら他にも方法はあると思うんです。

 たとえば、ひらがなを多くする(=漢字を“ひらく”)とか、読点(=“、”)を適度に入れるとか、改行を増やすとか(やりすぎるとこれも安っぽく見えますが…)…段落の最初は一字下げるとか‼


 ホントに…最後の「段落先頭を字下げ」だけで、一行アケより劇的に読みやすくなるんですよ! 私の目の錯覚かもしれませんけど! カクヨムの編集サイドバーでも、「段落先頭を字下げ」はデフォルトで表示されているけど、「段落ごとに空白行を挿入」なんてボタンは無いでしょ?!(2024年5月現在)

 一行アケしているのに字下げはしていないレイアウトだと、逆パターンより目が疲れるんですよね…。もしかしたら、長年、教科書などで刷り込まれてきた「段落の最初は一字下がっている」レイアウトを見ると、脳の方が「これはちゃんとした文章だから、気合入れて読むぞ!」と勝手にスイッチが入るのかもしれません。


 とはいえ、自分の好きな話なら、一行アケしていようがいなかろうが、舐めるように読みますけども。


 それでもさすがに1話数万字、というのは生理的にムリなので、1話何字くらいが読みやすいんだろう?と、今更ながら考えてみました。


 自分の書いアップしたものを自分で読む場合、1000字未満だと「ちょっと物足りない」。3000字を超えてくると「いつ終わんの?」となることに気付きました。

 なので、よほど変な流れにならなければ、1話1500~2500字くらいで切っています。というか、文字数が多くてスクロール回数が増えると、その前の話を忘れるんです。トシだなー。


 念のため、手元の紙の本(ラノベ、海外官能小説)でも見開き2ページの字数をカウントしてみました。

 ラノベだと32行×40文字=1280字。海外モノだと34行×41文字=1394字。それほど大きな違いはありません。

 web小説で1話2500字ってそのおよそ2倍だから、見開き4ページを一気に読んでいるということになるのか…ちょっと多いかも? でもムダに話数を増やすのも、それはそれで読む前に尻込みする原因になるかもしれないし…難しいですね。


 とはいえ、“エロあり”なら、とりあえず挑戦はしますけども(お前は中坊か)。

 私があちこちでエロがどーのこーの、という話をしているのは、決して根が好色だからではなく(言い訳)…セクシャルなシーンはジョークやユーモアのように、ある意味で、シリアスな話の緊張感を緩める効果があると思っているから、なのです。これもガス抜き。


 では書く方はどうかというと、私は手書きなので、パソコンタイピング派の人と感覚が違うのでは、と思います。

 言うまでもなく、手書きだと手が疲れる。

 あと、タイピングほど、思考速度についていけない。

 私の字が汚いのも、「思考速度についていこうとしているからだよ」と言われたことがあるんですが、そうするともう書いた本人ですら読めないように…今こうして書いている一文も、数十分後には判読不可能に…。


 それはさておき、手書きだと、思考をそのままタイプしているわけではないので、一応考えてから出力しているということにもなります。タイピングより割とゆっくり、じっくり(?)。


 これはもう感覚的なものなのですが、このへんで話を区切ろう、ひと息入れよう、と感じるところまでをあとでパソコンに打ち込んでみると、大体2000字ちょっとになっているんですよね。逆に、このシーン長いな、と思うと3000字を超えている。話ごとにまとめたホチキスの針が刺さりにくくなっている。そして、清書タイプしている最中に「まだ終わんねーのかよ!」となる。

 ここらでひと息入れたいな、息継ぎしたいな、という感覚は、手で書くという生身がもたらしているものなのかもしれません。


 …などと書いていたら、ほら、ちょうど2000字程度に収まりましたよ。

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