巻を措く能わずは常に誉め言葉とは限らない
書き手としては、それはそれでもちろん嬉しい。
とはいえ、読み手としての私は、一般的な新書や文庫なら一冊30分程度で読了してしまうので(これは早い方なのかな?)、web小説なら一話数十秒、といったところでしょうか。料理と一緒で、食べる方は十分でも、作る方は二時間とかかかってるのにさー…(愚痴)。なにしろ手書きなもので。
しかし、常に、早く読んじゃった=面白い、ってことにはならない。
文章に何のひっかかりもなく、キャラクターもそれなりで、全体的に可もなく不可もなく、てな本だと、それこそ一気にサクっと読んで終わり。半日もかからない。
逆に、文章が印象的で、登場人物は別れるのが惜しくなるくらい魅力的で、小説の神はまだ我をお見捨てにならなかった! みたいな話だと、二行読むごとにため息ついて
実際に読み終えたあとも、折に触れて開いては、どうってことないシーンを読み返したり…。web小説でもやります。再訪したからといってPVが増えているかどうかは知りませんが…。
とにかく、そういう本/小説は、私にとっては時間をかけて読む価値のあるもの、何度でも読み返したくなるもの、なのです。ちょっとシュミが特殊なので、ここでタイトルを挙げて万人におススメはできませんけども。
あ、カクヨムフォローではバレてますけどね。
“価値がある”といっても、高尚だとか文章が上手いとかいう意味の他にも、「こんなツボなの書いてくださってありがとう!」とか、単に「設定が好み」とか、「エロい。」まで幅広いので、くれぐれも私のフォローを覗いて「こんなのが…?」とか思われませんように(思うのは自由ですが)。
だから、私がコメントを残すとすれば、誉め言葉は「何度も読み返してしまいました」になります。感情をコメントとして言語化するのが致命的にヘタなので、ストーリー展開やキャラクターに感じたことがどうだったとかいうのはもう全部ひっくるめて、表に出てくるのはそれだけ。
「この章のこの表現が、このキャラクターのこのような心情を表わしていると思うので、ここで読者に与える印象は――」みたいなことならいくらでも言えるんですけど…読み手としてはわざわざそんなことは作者に言いませんし(なんかエラそう)、書き手としては、そういう分析的なコメントをもらったら「おっ、わかってくれたんだ!」とニヤニヤしますが、「ひっかかりのある文章」というのはそういうものだと思っているので、「あなたがそういうふうに捉えてくださっただけで十分で、こちらはもう何も言うことはありません…」てなお返ししかできないのがこれまた致命的。「この人、読み手としてすごい感受性だな…」とか思っていたりするのですが、それを、こんな表現ベタに言われてもねえ…一周回って侮辱にならんか? と思考の無限ループに陥り、結局返せるのは…。
とはいえ中には(※カクヨムフォローの中にはありませんよ、念のため)「何でこんなんが…?」と思うようなものもあり、設定が好みで買ったはいいけど、あまりの言葉の誤用とセリフのクサさに、二行読むごとに背筋に悪寒が走り、一旦は薄目を開けて最後まで読み通したものの、「何がこんなにひっかかるんだろう…?」と原因を解明すべくイチから読み返そうとしても、とても口には出せないセリフとオノマトペの障壁に阻まれ、2週間かけても結局2回しか読めてない、なんてことになったりするのですが。当然、分析なんてムリ。
そんなブツにも、捨てられない使い道があるので、その話はまた今度。
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