ソレを何と呼ぶのか問題 其ノ二
文章読本やweb小説書き方指南を覗き見した数少ない経験から思ったのは、「この辞書を買え!」ってあまり言われませんよね。持っていて当然だと思われているのか、ステマになると危惧しているのか…。
最近だと、語彙力を高める本、というのも多数出版されていて、その類のものが大好きな私も新刊チェックしているものの、毎回毎回思うのです。
「あれ? これって類語辞典一冊で足りるんじゃね?」と。
個別に、雨の名称だの感情を表す言葉辞典みたいなのを買わなくても(いや、眺めている分には楽しいんですが、あれを2、3冊買うだけで類語辞典一冊分の幅になるんですよ…)、一冊というか今の時代では電子辞書一台あれば事足りるのでは…。
電子辞書自体は昔からあったものの、初期のものには『広辞苑』が入っていなかった…(遠い目)。そして『角川類語新辞典』が追加された時、型落ちでも4万円くらいした覚えがありますが、狂喜乱舞して購入。
スマホとインターネット全盛の今ではほぼ中高生の学習向けか高齢者向けの簡易タイプになり、外装もずいぶんチープになってしまってはいても、収録辞書数は格段にアップ! それと反比例して価格が下がるという、デジタルコンテンツは本当に
私の場合、広辞苑と類語辞典が入っていることが絶対条件なので、CASIOのEX-Wordシリーズにお世話になっています。これで三代(台)目。
漢語系の言葉選びならこれ一冊(一台)でカバーできます。類語辞典は用例がめちゃくちゃ簡素なので、複数辞書を横断して用例を調べることができる機能に感涙。昔はなかった…。
ただ、最近注目を集めているらしい(?)日本古来の
学研『ことば選び辞典 美しい日本語選び辞典』
でした。
このシリーズ、前文が面白くて、
「本書は、格調高い文章を書きたい物書きのための辞典です。歴史ものや近代文学の雰囲気を醸し出すのに使えることばを選んで収録しています。自らの文章が己の理想に届かぬことを嘆き、物思いに耽る日々を過ごす字書きのみなさまに寄り添える辞典になったかと思います。さらに本書では、巻末にキーワード索引を設けました。ぼんやりとしたイメージからことばを拾い出せるしくみで、執筆中に心が折れないよう工夫しております。」
まさに我々にピッタリなのですが(笑)、それでも、シリーズ全巻揃えるより類語辞典買えよって話で。
類語といえば、昔、永田守弘 編『官能小説用語表現辞典』も持ってたなあ…。
洋モノ(笑)を書くようになってから、和モノを収集したこちらは手放してしまいましたが、まさしく「ソレをどう言うのか」について、オリジナリティ溢れる創作物の数々を目にしたことは無駄になっていません。
遊牧民の言葉には「家畜」を表す単語が、日本語には「自然現象」を表す単語が多いと言われるように、単語の豊富さが興味関心のバロメーターなのだとすると、男性陣が己の息子に向ける関心の高さと熱量には感心させられることしきりというか。まあ、ご自身と反対の性別の持ち物にも、その情熱は注がれているわけですが(笑)。
内容は明らかに男性向け官能小説なので、ティーンズラブやハーレクインロマンスを書きたい人(女子)の需要を満たしているかといえば…ちょっとベクトルが違うかな?
でも個人的には、BL、あるいは女性でゲイポルノを読んだり書いたりしてみたい人(私だ)には一読をお勧めしますけれども。自分のソレを解剖学的用語で呼ぶ
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