第2話 この夏の行き先は異世界
はぁ?え?
僕の目に服を着た猫が歩いてる…ゆめ?
白シャツに黒ベスト、茶色いズボンに素敵な茶色のハットを被っている。
そんな猫を見ながら頬っぺたを抓ってみるがめちゃくちゃ痛い、完全に現実だ
僕がパニックになっていると猫は僕と目が合った。
すると
ニコッ
満面の笑みで微笑みハットを取り会釈された。うん一年生の僕も先生に言われたし基本だよなー…そっかそっか…
「猫が会釈!?」
僕はあまりの驚きで声を出してしまう。
すると猫も驚き
「しまった!こちらの世界の猫は会釈はしないのか!?」
そんなことを言いながら口に手を当ていっけねと言っている
言っている??
「猫が喋った!?」
「猫喋らないの!?」
同時に驚く猫と僕。
え?一体なんなんだ、猫が喋らないのは非常識なの!?猫飼ってないからわからないよ!
「あ…え…」
「えっ…そ…その…」
途端にキョドリ始める僕と猫、気まず過ぎる…
この地獄の状況をお互い打破したく探り合っていると意を決した猫の方がまたハットを取り
「あ、あの僕の名前はヤ・プードゥと言います。好きなものはオニオングラタン、他の世界からこちらの世界に来ました!」
「こ、これはこれは丁寧に。僕の名前は大佐賀アスムです、好きな食べ物はハンバーグカレードリアです。えーっと…こちらの世界?」
「はい、僕は別の世界からこっちの世界に来ました!」
どうやら礼儀正しいプードゥと名乗る猫は別の世界から来た猫らしい。
別の世界??
僕はこの状況に理解が追いつかず首を傾げ固まってしまった。
そしてそんな僕を察知したプードゥは別の世界の説明をしてくれた。
僕らの世界とは別の世界で科学力は僕らの世界より遅れているがその代わり魔法が発達してい文明は魔法ありきで成り立っているらしい、車は魔法の絨毯、エアコンは魔法石に冷却魔法を貯めておくなど僕らの世界とは本当に違うらしい。
そして世界の外観もこちらと違うらしく建物はレンガ作りなどで近い風景として僕らの世界のとあるゲームの風景に近いらしく、そのゲームの攻略本の切り抜きを見せてもらった
そのゲームとはまさに
「クエドラじゃん!!」
「クエドラ?」
「知らないの!?この切り抜きだよ!クエスト&ドラゴン!めっちゃ人気のゲームだよ!」
クエスト&ドラゴンとは子供から大人まで愛されている日本を代表的するRPGで中世ヨーロッパ風な街並みを舞台に主人公が仲間を集め魔王などを倒しに行くゲームだ。
魔法が使えてまるでゲームの世界の風景。
これってもしかして
「異世界ものじゃん!」
「異世界もの?」
「そうだよ!スゲー!…ってことはプードゥってマジ異世界の猫じゃん!」
「いやいやそれを言ったらアスムも異世界の人間ですし」
「だって、向こうの人間も変わりないかも知んないけどさ!こっちの猫って二足じゃないし!そもそも喋らないしプードゥすげーよ!」
異世界もの、最近流行ってるゲームみたいな世界に行けてそこでウハウハになれるヤツだ!
ヒロトの兄ちゃんの本棚に大量にあったやつをコッソリ見たことあるけどあれはなかなか凄い話しだった。そんなことを考えながら異世界出身のプードゥに興奮しまくっているとプードゥは真剣な顔をした、あれ?異世界とか禁句だったかな?
と僕が思っていると
「そっか、こっちの猫は喋れないんですね、二足でも歩かない…僕…なんかやっちゃいましたかね?」
…なんだろう凄い腹立つ顔してるな…
僕はあまりプードゥを褒めちぎるのをやめようと小さく心に誓った。
「ところでアスムくん、こちらの世界の猫を教えてくださいよ!」
「オッケー!てかアスムでいいし敬語なんていらないよ!」
プードゥにそう言われ僕らはお互いの世界やお互いの話しをした、こっちは夏で向こうは春、はやってるものや美味しい食べ物。
聞いたこともない生物の話しに、僕は興味津々になり
「プードゥ!僕プードゥの世界行きたい!」
「えー、行きたいの?」
「だってプードゥこっちの世界に来てるのに僕行けないのズルくない?」
「まぁ…それは確かに」
「ね!?お願い!お願い!!お願い!」
何故か自分の世界を案内するのに嫌な顔をプードゥはしているが僕としては他の世界なんて行ってみたくてしょうがない
「ねー!行きたい!行きたい!行ってみたーい!!」
渋るプードゥに僕は畳み掛ける
猫ってこんな顔するんだなってくらい渋い顔をしている…
しかし僕は諦めずにワァーワァー言っていると
「しょうがないな〜…わかったよ、ちょっと行ってみようか?」
「やったー!!」
プードゥはついに折れ僕は異世界というところへ足を踏み入れることになった!
早速僕らはプードゥが出てきた茂みを逆方向に歩く、異世界ってどうやって行くんだろ?
何か機械があるのかな?
それともモンスターが連れてってくれるのかな!?
なんてワクワクしていると
プードゥが立ち止まり
「さぁ、アスム着いたよ」
立ち止まった場所は
木の根っこが盛り上がり子供ならなんとか入れそうな穴の前だった
「プードゥ…もしかして…ここ?」
「そ、ここだよ!さぁ着いてきて!」
颯爽と穴に入るプードゥ
正直、ダサいなと思うし、本当にこんなんで行けるの?と疑いながら僕は穴の中に右足を突っ込んで見ると
ヒュゴッ!!
僕は凄い勢いで穴の中へ吸い込まれた
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