第20話 愛はあるのか…
調剤ロボットを見にいきました。
自動ピッキングマシンですね。
ドイツ製です。
6畳くらいの大きさで高さも2メートルくらい。
黒い巨大な箱です。
レセプトコンピューターと連動していて、処方箋を入力するとその黒い巨大な装置から薬の箱が出てきます。
そこから必要量だけ抜いてまた箱をある場所に置くと勝ってに入庫してくれます。
なんていうのでしょうか…
パックのジュースやちょっとしたお菓子の自動販売機ありますよね。機械がその棚に手をのばしてピッキングしてくるもの。
それの巨大版、薬用です。
数千万円します。
薬局仲間のあるお店がいれまして…
売り込みは当薬局にもありました。
実は私がドイツに研修に行ったとき同じものを見ました。
「欲しいな…」
とつぶやいていると、
「堀さんのところなら入れられるじゃないですか…」
仲間のみなさんに言われました。
処方箋枚数、調剤室のスペースでいえば入ります。
でもね…
*****
昨日、やっと「マゼリータ」を購入しました。
軟膏練り機です。
ご興味のある方はネットで検索してください。
炊飯器のちょっと大きい感じの機械です。
各種軟膏、クリームを混ぜて処方されることが多くそれを数十秒で終わらせてしまうすぐれものです。
やっと入れることができました。
「手で練るからいいんだ…」
「この容器の蓋に着かず、ぴっちりといれるのがいいんだ…」
熟練の技が必要な作業です。
それをいとも簡単にされるのです。
軟膏のミックスが来ると
「社長呼びますよ…」
とスタッフが言い、
「軟膏入ってます」
と社長室に告げるとすぐに白衣を着た社長、義父が来ます。
そして量を計り「軟膏板」の上でヘラを両手に持ち練ります。
「軟膏板」これもご興味のある方はネットで。
どこの調剤室にもあります。
練り終わると当薬局のネームが入った専門容器にぴったりと入れます。
上縁ぎりぎりに入れるのです。蓋の内側にはまったく薬剤が着かないのです。
本当に技です。
「マゼリータ」の営業さんに僕は言いました。
「スピードも速い、混ぜも綺麗、だけどうちで入れるとなるとね
『そこに愛はあるのか…』
って言われるよ…」
僕は一度お断りしましたが、奥さんが
「デモ機ならおいてもいいよ!」
と言ってくれまして…
なんとかなんとか入れました。
娘の力は偉大です。
ついでに孫にも言ってもらえればよかったな…
実際に処方箋が集中するときとか、社長がいないときかなり時間がとられるのです。
薬剤師さん一人その作業専任になるので他の調剤が遅れます。
でも「マゼリータ君」すごいのです。
すでにデモ機の段階で愛称は「マゼリータ君」でした。
計りも入れて十分から十五分の作業が数分でしかも綺麗に混ぜられ、軟膏板やヘラの後始末もいらない。
「意外と便利だな…」
と社長も言いました。
話を一気に進めました。
遠心力なので蓋には多少薬剤が着きますが本当になめらかに綺麗に混ぜられるのです。
スタッフにも大変喜ばれています。
早く出せる、待たせる時間が短い
そこに愛はあります。
*****
こちらは数十万円の機械を入れるのに四苦八苦しているのです。
ええ、いずれね進化した自動ピッキングマシンを入れましょうね。
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