お薬屋さんになりました

第19話 おもちゃショーに行きました 後編

　バ〇ダイさんとかタカ〇トミーさんＳＥ〇Ａさんとか大きいブースでしたね。

　お目当ての昔勤めていた会社は…

　ワンブースでした。最小規模ではなかったけれど。

　昔はバ〇ダイさんほどではないですが大きかったのに…

　ですが、スタッフ３人だけどお子様連れの親子さんが何人も入ってにぎわっていました。

　ちょっと声をかけるタイミングが難しくてしばらく眺めていました。

「あの若い社員さんじゃな…俺のこと知らないし…」

「あの男性も知らないな…」

「社長とか副会長とか部課長ならな…こっちも向こうもわかるんだけどな…」

　もう退職して５年ですからね…

　平成の時ですからね…

　知っている社員さんも多くないです。

　一人女性がいました。

　この現場のリーダーのようでした。

　いっしょに香港出張に行った黒田さんに似ていました。

　ちょっとふくよかになったけれど…

　でもあの声は…

　勇気をだして声をかけました。

「昔勤めていた堀です…」

「え…！　え…！　堀さん！　」

「黒田さんだよね！　いっしょに香港に行った…」

「どうしたんですか…！　」

　よかったです、知り合いがいて…

　薬局から持ってきた栄養ドリンクをまとめて渡しました。

「ブースちいさくなったね…」

「そうなんですよ…おもちゃの新製品、２年くらいだしてませんから…。もっと大きいブースだしてって主催者から言われたのですが新製品がなくっちゃね…」

「ベビー用品に注力しているんだね…」

「時代なんですかね…」

　知育玩具とかあったんですよ。

　トイ事業部って大きかったのですよ。

　名刺を交換しました。

　昔勤めていた会社の人から、その会社名の入った名刺をもらう…

　ちょっと複雑です。

　他社のブースはほとんど見ませんでしたが、なんとなくね…

　ほっとした、ちょっとうれしかったおもちゃショーでした。

　薬局のおやじが一人でおもちゃショーにでかけたお話でした。