第2話 テントの中の人達は…
春の交通安全運動です。
街角の交差点に集会用テントが張ってあります。
地域の人たちやたまにお巡りさんもいますね。
町会長さんは真中に座っています。
朝早くから大変です。
この時期、通勤のさいにそのテントの前を通ります。
「おはようございます!」
地域の薬局のおっさんである僕はちゃんとテントまで近寄って挨拶します。
「オウ! おはよう! 」
町会長さんも
「おはようございます」
その他の人達も挨拶してくれます。
みなさんご年配者ばかりですからね、旗をもって横断歩道に立って歩行者を誘導している人は数人であとは “でん” と構えてテント内で座っています。
「ご苦労さまです」
そう言ってから僕は店に向かいます。
お店の調剤事務のスタッフさんとこんなことを話しました。
「俺さ…交通安全のテントの会長さんとかに毎朝挨拶してくるんだ…」
「ああ、交差点のところのですよね…」
通勤の道がいっしょの女性はそう応えました
「朝から大変だよね…」
「そうですね…でも私はあまり近づかないです」
「そうなの…」
「挨拶に行くと話が長くなりますからね、通勤の途中でも…」
「そう…?」
「あそこに座っていたり誘導している方々って…」
「うん…」
「ほぼ100パーセント…」
「うん…」
「みなさんうちの患者さんです…」
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