第2話ノストラダムスの予言
人間とは不思議な生き物だ。
昨日のイライラも寝て朝、目が覚めると怒りが少し緩和されているんだから。
『もう朝かよ。めんどくせー』
この部屋は一人で住んでいるのだが、今日からまた五日間仕事が始まると思うと、気がめいってしまいついつい弱気な発言をしてしまう。
ノストラダムスの予言って、確か令和になる前、もっといえば平和になったあたりで地球が滅亡するって言ってた様な、言ってなかった様な。
マジで当たらねーよな。
何が地球が滅亡だよ。
もっとリアルティーある予言してもらわないと、本当に困るんですけど。
そんな事を思っていても体は習慣を覚えていて、会社の服装に着替えていた。
まぁ服装っていっても私服なんだけどね。
いつもの流れで俺は家を後にした。
『昨日は楽しかったよね』
『最高だったね』
俺は職場まで電車を使うのだが、目の前にいるきゃっきゃと騒いで、体が密着している学生を見ると、またふつふつと怒りが込み上げてきた。
つうか何でお前らは人前で、そんなにイチャイチャイチャイチャ出来るんだよ。
別にするなとは言ってない。
ただ俺の視界にだけはうつんねーでくれるかな。
俺が犯罪者になっちまうぞ。
『ちょ…ちょ』
目の前にいる、髪の毛を半分茶髪で半分黒髪に染めていて目鼻立ちがくっきりとしている、まさに世間からは美少女と呼ばれているであろう女子生徒が俺に興味を示していた。
『なんだよ』
めんどくさそうに対応する彼氏だが、何だか嬉しそうに対応していた。
男のスペックだが…可もなく不可もなく、その辺に生息しているモブキャラだ。
『あの人めちゃくちゃうちらのところ睨んでない』
女よ一つだけ忠告しといてやる。
ひそひそ話しは本人に聞こえない様にする事。
それとモブキャラ、お前も『そうだね。そうだね』 って頷くんじゃねー。
一時期世間を騒がせたカーリング女子か。
勘違いしないでくれ。
俺は睨んでるんじゃない。
ただ目が細いだけ。
これを睨んでるととるかとらないかはお前ら次第だがな。
せっかくだから威嚇でもしておくかな。
『シャー!!!!!!』
寄生が電車内に響き渡り、俺は注目を浴びてしまった。
目の前のカップルは俺を危険人物だと判断したのか、席を立ち隣車両へと姿を消した。
俺の怒りは完全に鎮火し、眼を閉じしばらくすると意識を失った。
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