第8話 令和最後の高安犬物語1
令和4年の5月29日。
北海道では、ヒグマの被害が増加し始めた。
そして、ヒグマの中でもっとも人間に甚大な被害をもたらしてるのが、体長2.7メートルで体重340kgの巨大ヒグマの三毛別だ。
奴は北海道の国立公園に指定してある知床を根城に北海道全域を恐怖にさせていた。
そんな三毛別を一頭の犬が戦いに挑む。
それはかつて山形県高畠町に熊犬として存在し、今では絶滅したとされる高安犬のチンだ。
熊犬とは、海外からカレリアンベアドッグという犬が注目されているが、日本でも秋田マタギ犬、北海道犬、会津犬、津軽犬、秋田犬、仙台犬、越路犬、岩手犬、相馬犬、そして高安犬がいた。
秋田マタギ犬は後の秋田犬、それと北海道犬以外は昭和にいなくなった。
令和のチンは高安犬としての純粋な血筋を保った最後の一頭であった。
「チン!」
海外から要請されたカレリアンベアドッグのライカは叫ぶ。
「チン、油断するな!」
軍用犬でホワイトスイスシェパードのG4はライカと共にチンを補佐する。
メスのパピヨン犬キャンディはチンを心配する。
「チン、死なないでよ!」
「三毛別!この日がお前の最期だ」
チンは三毛別に向かって怒号を上げる。
これは令和最後の高安犬チンの物語である。
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