都会から転校してきた陰キャ少女は常識しらずの田舎少年にぐいぐい来られて絆される!!
くうき
プロローグ:卑屈少女、ハツラツ少年と出会う。
「あっ………。」
夜の街頭が照らされた公園で少女は一人で涙を流していた。でも、理由も何もかもを吐き出すことができないまま中学二年生になった。
でもその状況は治らず、しびれを切らした母親が彼女に迫った。そうすると彼女は同じ部活の先輩たちから嫌がらせを受けていたそうだ。
母親は、知ったと同時に急いで部活動内で緊急の保護者会が開かれた。生徒も混ざっての会合となり、関わった先輩たちは部活を退部させられた。
「もう、ヤダよ。何で……バレーやってるだけで嫌がらせ何て受けなくちゃいけないの??」
しかし、それだけでは先輩たちは終わらず、学校生活で嫌がらせを始めた。彼女…基、一色ゆのは不登校になった。
それを見て父親(母とは不登校になったと同時期くらいから言い争いになって離婚した。)は引っ越しを決断。彼女は父の実家である山形で再びスタートを切ろうとしていた。
「…………はぁ。」
小さなため息が一人しかいない部屋で響き渡る。
「何が駄目だったんだろうな~。私が根暗だからかな?ブスだったから?身長が高くて怖そうだったから?分かんないよ。無能だった・・・からなのかな?」
ゆのは一人ぐるぐるとネガティブな思考を巡らせた。頭の中は何もかも、マイナスで埋め尽くされ始めているタイミングでドアのノックが聞こえた。
「ゆの、ちょっと外に行ってもらっていい??」
「ん?い、良いけど。どうして?」
「最近体動かして無いだろ?それと今日学校の先生がうちに来るから少しだけ家を出ていてくれるとありがたいんだ。」
「わ、分かった。」
ゆのは、急いで適当に服を見繕ってぼさぼさの髪を櫛で適当に梳いて、数日ぶりに彼女は家を出た。
山形の夏は暑い。それは都会で言うビルが多すぎて暑いという状態ではなく盆地であることから乾いた暑い風が溜まりやすいため夏はとことん暑い。
「あ、暑い………東北だから、夏は涼しいものって勘違いしてたッ!」
ゆのは現状、絶賛体験していた。北に行けば夏は涼しい!なんて思っている諸君へ、余計暑いから来るなら秋とか春がちょうどいいぞ。
今にも倒れそうなゆのは近くにある大きな公園のロッジでジュースを買っては座ってちびちびと飲み始めた。
「あぁ~、何でこんなに暑いのかなぁ~。ん?何の音??」
頬が溶けかけているのを必死に抑え込んでいる中、ゆのが視界に入れている木の裏からボールが鈍く弾む音が聞こえた。
「ちょっと、見に行ってみようかな?」
ゆのは興味本位に木の陰の裏にある場所へ足を進めた。見えた場所にはハーフバスケットコートがあった。そして…
「あっちゃ~、外しちゃったか。今日は調子悪いなぁ~。」
間延びした声で淡々とシュートを打つ、ゆのよりも身長の低い男子がとんでもないスピードでバスケットボール弾ませていた。
「あっ!?」
「ひぇ!!」
「すいませんっ!!大丈夫ですか!!」
飛んできたボールがゆのの頬を掠り、顔に擦り傷ができてしまっていた。
「えっ、あ、あのっ………ごめんなさいっ!!」
「えっ!?ちょっ!!」
ゆのは声を掛けられた途端、あの時の記憶がフラッシュバックして咄嗟に走り出していってしまった。
「う~ん。こりゃ、どうしよっかな?謝りたいけど謝りに行ける状況じゃないし。名前も聞けなかったしな。………今日は帰るか。」
少年は少年で、どうしようかと考えながら帰路に歩むことを決めてバスケットボールをバックにしまって歩き始めた。
「そう言えば明後日から学校だなぁ~。」
空を見ながら少年、戸沢仁太とざわじんたはのんのんと歩き始めた。
~2日後~
「「へっ??」」
2人は教室で再開したのだった。
都会から転校してきた陰キャ少女は常識しらずの田舎少年にぐいぐい来られて絆される!! くうき @koooodai
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