いつも見ている景色3
「……ただいま」
妹しか居ない家にそう呟く
すると、足音が聞こえた
「おかえり、お兄ちゃん…」
「ただいま、由利。髪、整えたんだね」
「うん、今日はハーフアップにしてみたんだ!」
「そうか、似合ってるよ」
「えへへ…」
恥ずかしそうに、はにかむ由利
俺が家に帰ってくると、必ず髪を結って待っている
「っ……」
すると、不意に俺の左目が痛くなった
視界がボヤけて、由利がよく見えない
「お兄ちゃん?大丈夫?」
「え?あ、う、うん…大丈夫…」
由利を心配させまいと俺は大丈夫と言った
実際、大丈夫ではないが、由利を心配させたくない…そのための嘘だ
「あ"がっ"…」
左目の痛みが強くなった
その瞬間、俺は膝をついてしまった…
なんだ…?一体…これは…
「お兄ちゃん…?」
由利が心配そうにこちらを覗きこむ
「だい……じょうぶ、お兄ちゃん…部屋にいるね…」
俺は由利にそう言い、部屋へと逃げるように駆け込んだ
青空へダイブ!!!!!!! 紫川 雫 @shikawashizuku
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